プロダクトデザイナー山崎タクマによる
初の個展「ものづくりは感動と共に」が開催

山崎タクマによる初の個展「ものづくりは感動と共に ~ Product Design Infused with Vital Warmth ~」が2023年11月11日(土)・12日(日)に東京・渋谷のSLOTH JINNAN GALLERYで開催される。

1990年北海道生まれの山崎は、キヤノンでカメラやレンズなどのデザインを手がけながら、2019年にデザイン会社TAKUMA YAMAZAKI DESIGNを設立。私たち「生物」と周辺に存在する「モノ」や「現象」との関係性をテーマに、それらの距離感や位置関係について考察し、「心が動いた瞬間」を形にする活動を行っている。

同展では、「Bio-Vide」「音色鉛筆で描く世界」「Anima-Code」といった、国内外のデザインアワードで受賞した山崎の代表作をはじめ、新作となる「PromPlant」も展示される。

「Bio-Vide」

レクサスデザインワードを受賞したプロジェクト「Bio-Vide」には、落ち葉の味わい深い風合いやあたたかみが感じられる板材がある。生物とモノの距離や位置関係への問い、モノに生命の息吹を注ぐ試みとして、東日本大震災後の復興支援で関わった宮城・南三陸の落ち葉を使用し、飛騨高山の家具職人によるリファインを施している。現在は家具などへの展開を進めており、11月中旬には製品化にむけてクラウドファンディングが実施される。

「音色鉛筆で描く世界」

目の見えない人とのワークショップをとおして生まれたのが、音色を奏でる文具「音色鉛筆で描く世界」である。紙と鉛筆の微小な摩擦音を増幅させ、文具を楽器として楽しむための作品で、子どもでも簡単につくれるシンプルなデザインが特徴。コクヨデザインアワード 2018にてグランプリを受賞したほか、最近ではウクライナのアーティストの共感を呼び、戦地でもその音色を奏でている。

「PromPlant」

今治タオルの製造を手がける渡辺パイル織物とコラボレーションした新作の「PromPlant」は、山崎が「盆栽は人間が造形に関与したものであるにも関わらず、意匠登録に該当しない」ということに興味を持ったことから生まれた作品。生物とモノの距離感において、盆栽の「治具」は、生成AIに使用する「プロンプト(指示)」とその役割が似ていると考える。生成AIを駆使して新しい植物の姿を描き出し、そのグラフィックを生地に出力させて、新しい姿と質感を備えたイマージョンテキスタイルだ。

「Anima-Code」

また、QRコードを刻印したハンコ「Anima-Code」は、SNSの利用者が亡くなった後のデータのあり方を問う作品。ハンコの印面に彫刻されたのは、故人のオンラインデータを変換したQRコードで、印影がデータアクセスのキーとして機能するという仕組みだ。触れることのできないデータに実体を与え、押印という身体的かつ情緒的な所作で故人と生人をつなぐプロダクトである。製品化に向け、山崎石材工業とのコラボレーションが進行中だ。

NFT(非代替性トークン)を利用したプロダクト「ProduCrypto」

心の琴線に触れるものづくりにより、感情を揺さぶり、新しい現象を引き起こすことを目指してきた山崎。同展では、幅広いアイデアとテーマが結実した同氏の創作活動の全貌を体感できるだろう。End

プロダクトデザイナー 山崎タクマの初個展「ものづくりは感動と共に ~ Product Design Infused with Vital Warmth ~」

会期
2023年11月11日(土)・11月12日(日)10:00 – 19:00
入場無料
会場
SLOTH JINNAN GALLERY(東京都渋谷区神南1-14-7 ワイズ神南ビル 2F)
詳細
https://www.takumayamazaki.com/
作品や展示に関するお問い合わせ先
TAKUMA YAMAZAKI DESIGN 合同会社
横浜市戸塚区汲沢町305-12
info@takumayamazaki.com
080-3572-0284