「倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙」展、11月18日スタート

ショップ「スパイラル」 1990年 Photo by Satoshi Asakawa © Kuramata Design Office

バブル経済の絶頂期、1991年に56歳で急逝した伝説のインテリアデザイナー、倉俣史朗。96年にはアクシスギャラリーで「倉俣史朗デザイン展」が開催されたが、27年を経たこの秋、世田谷美術館で大規模な回顧展が開催される。

倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙」展は、2023年11月18日(土)から24年1月28日(日)まで、世田谷美術館で開催された後、2月17日から4月7日までは富山県美術館、6月11日から8月18日までは京都国立近代美術館へと全国巡回する予定だ。

イメージスケッチ「猫とHow High the Moon」 1980年代 © Kuramata Design Office

《ハウ・ハイ・ザ・ムーン》1976年 富山県美術館蔵 Photo by Ryohei Yanagihara © Kuramata Design Office

1960年代以降のデザイン界を牽引し、世界的に高い評価を受けたデザイナーである倉俣。従来の家具やインテリアデザインでは使われてこなかった、アクリル、ガラス、建材用のアルミなどの工業素材を積極的に採用し、代表作である椅子「ミス・ブランチ」(1988)をはじめとした、独特の詩情を含んだ作品を生み出してきた。

《ミス・ブランチ》1988年 富山県美術館蔵 Photo by Ryohei Yanagihara © Kuramata Design Office

同展では、初期から晩年までの作品をはじめ、その制作の背景となった夢日記やスケッチなど、これまであまり公開されてこなかった資料を集めて、倉俣の業績を振り返る。

スケッチブック「言葉 夢 記憶」より 1980年代 © Kuramata Design Office

また、香港に誕生した美術館M+が、彼がデザインした新橋の寿司店「きよ友」の店舗を丸ごと移設したように、倉俣の海外での評価はきわめて高い。同展では、海外から見た倉俣史朗にも注目する。独立前の三愛所属時代の仕事から、現在に至るまで。倉俣史朗という人と仕事に触れる、またとない機会となるだろう。End

倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙

会期
2023年11月18日(土)~2024年1月28日(日)
時間
10:00~18:00(最終入場時間 17:30)
休館日
毎週月曜日および2023年12月29日(金)~2024年1月3日(水) 
※2024年1月8日(月・祝)は開館、1月9日(火)は休館
会場
世田谷美術館 1階展示室(東京都世田谷区砧公園1-2)
詳細
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00216