武蔵野美術大学 美術館･図書館に所蔵されている、グラフィックデザイナー杉浦康平（1932-）の創作活動を網羅する、特別コレクション「杉浦康平デザインアーカイブ」のリニューアルが行われた。

杉浦はレコードジャケットやポスター、本、雑誌、展覧会カタログデザインなど多彩な活動を第一線で展開してきた。2008年には、自身のデザイン作品からデザインプロセスの資料、作品掲載誌、デザイン制作に影響を与えた旧蔵書をまとめて武蔵野美術大学 美術館･図書館に寄贈している。

同館ではコレクションの公開にあたり、インターネット版ヴィジュアル作品集「デザイン・コスモス」を2021年6月に開設し、開設時には、杉浦のセレクトによるブックデザイン作品186点を掲出。今回はさらにアーカイブを充実させるため「デザイン・コスモス」ウェブサイトのデザインと資料の紹介方法を大幅にリニューアルした。

リニューアルでは、トップ画面を三次元的な空間に見立てて杉浦の作品を浮遊させることで「ただならぬ雑」がうごめきざわめく宇宙空間を表現。このデザインは杉浦が雑誌デザインと対峙した際の造形思考を表象しており、誰でも自由に作品世界を探索しながら遊び、学び、楽しめるようにという想いがこめられている。

さらに、アーカイブ所収の現物を参照して作品情報をより厳密に記述。新規に追加された雑誌デザインの解説は、杉浦の作品集「疾風迅雷」をベースに大幅な加筆修正を行った。杉浦の雑誌デザインをめぐるギャラリーとツアーも拡充している。