ファッションブランドのフェンディはこのほど、トスカーナのフェンディ ファクトリーで開催されたシルヴィア・フェンディによる2024年春夏メンズコレクションショーにて、建築家の隈 研吾とともにデザインしたアクセサリーを発表した。

両者のコラボレーションによる「フェンディ ケンゴ・クマ（FENDI KENGO KUMA）」は、過去と現在を融合して素材が持つ可能性を表現し、人間と自然の調和による革新を目指すコレクションである。

今回はバッグ「ピーカブー（Peekaboo）」および「バゲット ソフト トランク（Baguette Soft Trunk）」と、スニーカー「フェンディ フロー（Flow）」にフォーカス。古くからの日本のクラフツマンシップと天然素材を活用して、これらのアイテムの新しいバージョンをつくりあげた。

各アイテムには、昔ながらの手漉きの紙を思わせる、コットンと樹皮繊維でできたドライでソフトな質感のファブリック「和蘭紙」を採用。人工物に自然を組み込むという隈のデザイン哲学により、不均質で不完全な表情が生まれた。

「ピーカブー」の内側には、トスカーナのオリーブの木を彫り出したフレームを施し、さらに、ブランドのアイコニックなストライプ「ペカン（Pequin）」を淡いシラカバ樹皮を使って控えめに表現している。

「フェンディ フロー」には、リサイクルされたポリコットンニットや和蘭紙のアッパーを採用。3Dプリントのソールは、細い竹をイレギュラーに編み上げる「やたら編み」を連想するデザインとした。インソールにはコルクを使用し、未染色のバイオベースEVAを用いた「FF」ロゴソールをあしらった。

隈は「自然とクラフトは、建築家兼デザイナーとして私が生み出す作品の中心であり続けています。フェンディからバッグやシューズについて考えてほしいと依頼があったとき、それらがヒューマンスケールにおける小さなアーキテクチュラルプロジェクトであると考えました」とのコメントを寄せている。