3Dプリンタで畳を現代の暮らしに編み直す
デザインラボ Honokaによる「Tatami Refab Project」

プロダクトデザイナーたちによるデザインラボ「HONOKA」は、大型3Dプリンタを使い、畳を現代の暮らしに編み直す「Tatami Refab Project」に取り組んでいる。

畳は、豊かな香りや心地よい肌触り、調湿や消臭などの機能性を備えた床材として古くから親しまれてきた。しかし、生活様式の変化からフローリング需要が高まり、近年では畳に触れる機会も少なくなりつつある。こうした課題を解決するためにこのプロジェクトでは、使い終えた畳や廃棄されるい草を生分解性のある酢酸セルロースと混合し、ペレット化することで、3Dプリンタによる多様な家具の制作を可能にした。



樹脂を編んだテーブルとスツール「SORI / MUKURI」は、独自に開発した網目構造により適度な抜けが生まれ、見る角度によって表情が変化する。カラーは樹脂の含有量を変化させることで生い茂るい草を表現した。

「SORI / MUKURI」

「CHIGUSA」は、日本の伝統的な「千筋模様」をモチーフにしたスツール。線状の造形と強くしなやかな樹脂により、弾力性のある座り心地を備えている。「TABA」は、束ねたい草をモチーフにした照明で、枝状の隙間から光が漏れ空間を優しく照らす。


「CHIGUSA」


「TABA」

「TACHIWAKI」は、着物の柄である「立涌」をモチーフにしたストライプの洗面台。「YOCELL」は「麻の葉」の文様をモチーフにしたスツールで、異なる向きに寄せ合わせることで、さまざまな表情を生み出す。


「TACHIWAKI」


「YOCELL」

ほかにも、日本の平面的な編み模様を立体的に再構築したスツールとランプシェード「AMI」や、生け花のように植物をさまざまな角度や位置に差し込める花器「KOHSHI」を展開している。End


「AMI」

「KOHSHI」


HONOKAは2023年のミラノサローネ「サローネサテリテ・アワード 2023」においてグランプリを受賞した。Courtesy of Salone del Mobile.Milano, Photos by Ludovica Mangini