ファッションデザイナー 中⾥唯⾺
ボストン・バレエ団新作の⾐装をデザイン

Design by YUIMA NAKAZATO

ファッションブランド「YUIMA NAKAZATO(ユイマナカザト)」を率いるファッションデザイナーの中⾥唯⾺は、オランダ出⾝の振付家 ナニーヌ・リニング(Nanine Linning)によるボストン・バレエ団の新作バレエ「ラ・メール(La Mer)」の衣装デザインを担当した。

同作品は「海」がテーマ。クロード・ドビュッシーの交響詩「海」と、海の精セイレーンの神秘的な歌声を、⼥性合唱と緻密なオーケストレーションで表現した合唱作品「シレーヌ」(Sirènes)をベースとしている。

Photos by Brooke Trisolini

リニングはこの作品で、アーティストの視点を通して海洋保全の重要性に注目した。制作に向けて科学者や海洋汚染除去機関との対話を重ね、観客の海洋汚染に対する意識を⾼めることを目指している。

中⾥は海についてのリニングの解釈を受けて、解釈やメタファー、象徴性、作品に登場する各キャラクター性の視覚化を検討。YUIMA NAKAZATOの美学と融合させながら、リサイクルされた海洋プラスチック素材を使い、30⼈を超えるダンサーとコーラス歌⼿の⾐装をデザインした。

Design by YUIMA NAKAZATO

中里は「多様な議論が求められる地球環境問題を、現代バレエという⾮⾔語による舞台芸術を通じて解決しようとする試みは、⼤きな意義があると思います」と語る。さらに「⾐装デザインを通して、⽣命を維持するために⽋かせない重要な要素を視覚化し、それを⾐装としてパフォーマーに着せることで、⼈間と⾃然の関係の未来を表現したいと考えています」とコメントを寄せている。End

Photos by Brooke Trisolini