2023年度のプリツカー賞
デイヴィッド・チッパーフィールドが受賞

Sir David Alan Chipperfield, photo courtesy of Tom Welsh

世界の優れた建築家を表彰するプリツカー賞は2023年3月7日(火)、2023年度の受賞者にイギリスの建築家 デイヴィッド・チッパーフィールドを選出したと発表した。

同氏は40年以上にわたる活動のなかで、アジア、ヨーロッパ、北アメリカの各地において、商業施設や文化施設、住宅、都市計画マスタープランなど、100以上の作品を手がけてきた。

The Hepworth Wakefield, photo courtesy of Iwan Baan

Turner Contemporary, photo courtesy of Simon Menges

Museo Jumex, photo courtesy of Simon Menges

繊細でありながら力強さを感じさせ、控えめでありながらエレガントな建築が特徴で、時代を超越したモダンなデザインには、歴史や文化への敬意、既存の建築や自然環境の尊重が表現されている。気候変動や社会のつながりの再構成、都市の再活性化といった課題にも取り組み、機能性やアクセシビリティを重視した建築にも定評がある。

Morland Mixité Capitale, photo courtesy of Simon Menges

Inagawa Cemetery Chapel and Visitor Center, photo courtesy of Keiko Sasaoka

The Neues Museum, photo courtesy of Ute Zscharnt for David Chipperfield Architects

チッパーフィールドは「今回の望外な栄誉にとても感激しています。建築家としてこれを励みにし、建築の本質について探究するだけでなく、気候変動や社会の不平等といった人間の存在に関わる課題にも、引き続き取り組みたい」とコメント。

同賞を主宰するハイアット財団のトム・プリツカー会長は「彼は驕らず、流行にとらわれることなく、伝統と革新を融合させ、歴史と人間性に寄与する建築を生み出してきました。作品の数々はエレガントで卓越しているだけでなく、社会や環境に利するかどうか、世界のあらゆる場所で生活の質を高められるかどうかを重視して設計されています」と受賞を称えた。End