羽田エアポートガーデンにHARIO(ハリオ)Satellite オープン

パスポートが必要な旅からしばらく遠のいている人が多いと思うが、羽田空港第3ターミナルに直結した商業施設「羽田エアポートガーデン」が、3年間の延期ののち2023年1月31日にグランドオープンした。ここにできたショップインテリアが興味深い。

©︎Katsumasa Tanaka

「ショッピングシティ」と銘打った住友不動産グループの「羽田エアポートガーデン」は、敷地面積43,000㎡と広大。羽田空港の第3ターミナル2階部分から直結しており、12階建てのビルには、展望露天風呂のある天然温泉やホテル、イベントホール、長距離バスや路線バスのターミナルなどを併設している。浜松町からモノレールで行くと、第3ターミナルは、実は第1ターミナルや第2ターミナルよりも近い。

▲多摩川に面した巨大な商業施設。440台を超える駐車スペースも。

▲空港の第3ターミナルを歩いていくと、そのまま「ジャパンプロムナード」に繋がる。

ここに誕生したのが、日本の優れた産物を集めたジャパンプロムナードという一角。現在全部で15店舗の物販や食販店舗が連なる。海外旅行客へ直接アピールできる場とあって、各店舗、商品の選択からインテリアデザインまで芸を凝らしているが、そのなかのひとつが、耐熱ガラスメーカーHARIOのフラッグシップストア「HARIO Satellite」だ。

©︎Katsumasa Tanaka

HARIOは、名前からイタリアか北欧のメーカーかと思っていたが、実は日本に工場を持つ耐熱ガラスメーカー。なんと名前は玻璃王(ガラスの王)から来ているのだと言う。1921年創業で理化学ガラスのイメージが強いが、現在は主力のコーヒー関連製品の他、調理用品やアクセサリーなども製造・販売している。

©︎Katsumasa Tanaka

そのHARIOの製品のほとんど全てを国内で唯一見ることができるのが、ここ「HARIO Sattellite」。店舗デザインを建築家・神谷修平のKAMIYA ARCHITECTS が手掛けた。

ガラスは無色透明で、割れやすく繊細だ。そのガラスの脇役になり、主役を活かす色彩・空間を創造するのは難しい。ややもすると無機質で単一なものになりがちだ。その解として、神谷はHARIOのガラス製品の原料であるオーストラリア産のホワイトサンド(白砂)を使った。

©︎Katsumasa Tanaka

日本のクラフトマンシップのひとつである左官技術によって、ショップを囲む3面に、シンプルではあるが趣のある壁面が立ち上がっている。

©︎Nanako Ono
©︎Nanako Ono

海外旅行の行き帰りに、現代の日本の名産品とは何かを見に、一度暖廉をくぐってみてはどうだろうか?(文/AXIS 辻村亮子)