「CAKE」のスタイリッシュな電動バイク、いよいよ日本上陸

Photos by © CAKE 0 emission AB

スウェーデンの電動バイクメーカーCAKE 0 emission AB(以下、CAKE)が展開するプレミアム電動バイクが2023年春から日本国内でも販売を開始する。

ミニマルで洗練されたプロダクトデザインが特徴的なCAKEの製品は、無駄を削ぎ落としたシンプルなつくりと、落ち着いた彩度のカラーリングによって構成され、これまでのバイクとは一線を画すデザインが注目を集めている。

Kalk&(カルクアンド)価格:2,915,000円(税込)最高速度:90km/h 航続距離:86km 車両重量:79㎏

Osa+(オッサプラス)価格:2,255,000円(税込)最高速度:90km/h 航続距離:111km 車両重量:89㎏

Makka range(マッカレンジ)価格:869,000円(税込)最高速度:25km/h 航続距離:66km 車両重量:70㎏

今回発表されたラインナップのメインとなるのは、オフロードタイプの「Kalk(カルク)」とモジュール式多用途バイクの「Ösa(オッサ)」、都市での移動を想定した「Makka(マッカ)」の3つのプラットフォームからなる9つのモデルだ。これらすべてのモデルは電力をエネルギーとしているためモーターの駆動音はとても静かで、自然や都市の音を感じながら、さまざまな環境に溶け込むように移動することができる。


また、走行中のCO2排出量がゼロというだけでなく、生産工程におけるCO2排出量についても、スウェーデンの電力会社であるVattenfallとの協業により2025年までにゼロにすることを目指している。

現行モデルに使用されている高純度のアルミも、軽量化や耐久性を高めるためだけでなく、製品の寿命が過ぎた後でも何度もリサイクルできるように管理されているという。

日本市場と普遍的なデザインの親和性

こうした環境に配慮した取り組みをはじめ、CAKEの考え方に共感し、日本国内での販売における独占的パートナー契約を締結したのが、高機能スポーツウェアを中心に事業を展開するゴールドウインだ。同社はこれまでもモーターサイクル事業を通じてバイク関連のウェアなどを取り扱ってきた。

CAKE CEOステファン・イッターボーン(Stefan Ytterborn)氏とゴールドウイン代表取締役 渡辺貴生氏。

代表取締役の渡辺貴生は、実際にCAKEのプロダクトを見たとき、そのデザインに驚いたという。シンプルであり普遍的な考え方が落とし込まれたデザインに強く共感し、新しいマーケットを開拓するというチャレンジに向けて手を取り合った。

CAKEのCEOステファン・イッターボーン(Stefan Ytterborn)も製品発表会の中で、現代社会における製品ライフサイクルの短さについて言及し、ロングライフであることや時代を超えて愛される普遍的なデザインを追求していると話す。

こういったデザインに対する考え方について、どこからインスピレーションを得ているのか尋ねてみると、例えば色について「カワサキは緑、スズキは黄、ホンダは赤、ヤマハは青だからグレーしか残っていなかったんだ」。と冗談を交えながら、スカンジナビアの文化的な価値観が影響していると続ける。

「私自身がスカンジナビア出身であることもあり、シンプルであること、本質的であることを重視しています。派手さでごまかすような必要はありません。(たとえ色合いが地味だったとしても)良い製品であれば、皆さんが評価してくれると思っています。スカンジナビアの文化は日本人の持つ美意識とも親和性が高いので、永く愛着を持って使ってもらえるプロダクトであることを期待しています」。

グラフィックもシンプルにまとめられている。

艶消し塗装が質感を高め、落ち着いた印象を与える。

ラストワンマイルを軽快に駆け巡るアーバンシャトル

前後に大きな荷台を持つMakka flex :work(マッカフレックス ワーク)。

今回発表された製品ラインナップの中には「Ösa :work」や「Makka flex :work」など、workと名前の付いた大きな荷台を持つモデルがある。以前、こちらの記事で紹介したときも、多くの反響があった。近年のラストワンマイルデリバリー需要の高まりを受け、関心を持つ人が多いのかもしれない。

実際に試乗してみたところ、足付きの良さもあって重量を感じることはほとんどなく、とても安定していた。シートが少し固く感じたことと、メーター周りのディスプレイへの視線移動には距離を感じたが、急加速することもなく、何より電動モーターのおかげで静かでとても滑らかな走りだった。

実際に試乗したMakka flex :work(マッカフレックス ワーク)。

シートの固さは好みが分かれるところかもしれない。

日本の働くバイクと言えばホンダのスーパーカブを思い浮かべる人も多いだろう。明け方に新聞を配達するバイクの音は日常のなかにすっかり溶け込んでいるが、そんな景色も静かに変わっていくのかもしれない。

ゴールドウインは2023年春からWeb限定で予約受付を開始し、3年間で5,000台の国内販売を目指す。また、それに先立って東京・原宿エリアにて一般向け展示会・試乗会も行うほか、4月には東京・丸の内にプロダクトを体験できるショールームも展開する予定だ。

環境に配慮しながら、オフロードからラストワンマイルデリバリーまで、あらゆる移動のニーズをカバーする、シンプルかつエキサイティングな乗車体験を楽しんでみてはいかがだろうか。 (文/AXIS 大内康太郎)End

【一般向け展示会・試乗会】

日程
一般向け展示会 ※事前予約不要/入場無料
2023年1月26日(木)~29日(日)11:00~17:00

一般向け試乗会 ※事前予約制/抽選式
2023年1月28日(土)12:00~16:00/29日(日)10:00~16:00

場所
the corner(東京都渋谷区神宮前5丁目29-1)
詳細
会場、展示モデルなど