建築設計事務所 BIGが設計を手がけた
デンマークの難民博物館「FLUGT」

Photos by Mike Bink

デンマーク・オクスボル(Oksbøl)で、世界中の難民の声や顔などの資料を展示し、彼らに共通する課題や感情、意志や物語を伝えていく、博物館「FLUGT」が2022年6月にオープンした。

デンマークの建築設計事務所 BIG(ビャルケ・インゲルス・グループ)とオランダを拠点とするクリエイティブエージェンシー Tinker Imagineersが共同で設計。館内では難民の歴史や統計を提示しながら、第二次世界大戦でデンマーク最大の難民キャンプがあった、オクスボルの歴史と今日の難民問題とのつながりを強調する。

Tinker Imagineersが手がけたのは、さまざまな時代の難民の物語を伝えるための画期的な没入型の展示空間。複数の展示室と広々とした屋外エリアを設け、視覚効果やサウンドスケープ、アニメーション、インタビューを通じて難民の物語を息づかせている。

Photos by Tinker imagineers

屋外には、コンクリートと耐候性鋼でできた、かつての難民キャンプを大規模なスケールで再現。鑑賞者は森の中で没入型のサウンドウォークを体験し、難民キャンプの実態を知ることができる。

Photos by Mike Bink

Tinker Imagineersの創設者兼ディレクターであるErik Bärは「今日的な問題をテーマとした博物館を設計することは、私たちにとってきわめて重要で、意義のある仕事になった。また、それは私たちの望むチャレンジでもある。個々の難民の歴史と社会的な影響を組み合わせ、FLUGTで訪れた人を啓蒙する体験を提供することは、刺激的でやり甲斐のあることだった」とコメントを寄せている。End

Photos by Mike Bink

Video by Joris Verleg / Tinker imagineers