アルカンターラ、美術展「Search History」をローマで開催
Space Popularがアルド・ロッシの概念を再解釈

The Search History。イタリア人建築家アルド・ロッシの作品を再解釈した作品

マテリアルブランド「ALCANTARA®(アルカンターラ)」は、イタリア・ローマにあるイタリア国立21世紀美術館(MAXXI)とのコラボレーションを記念にした美術展「Studio Visit(スタジオ訪問)」を2023年1月15日(日)まで開催している。

これまで4回開催されてきた「Studio Visit」。MAXXIの建築コレクションの巨匠たちの作品に、現代デザイナーが独自の解釈を加えて作品を発表するプロジェクトで、MAXXIデザイン・キュレーターであるドミティラ・ダルディ(Domitilla Dardi)がキュレーションを手がけている。

第5回の今回は「The Search History(検索履歴)」がテーマ。デザインスタジオ「Space Popular(スペース・ポピュラー)」のディレクターであるララ・レスメス(Lara Lesmes)とフレドリック・ヘルバーグ(Fredrik Hellberg)が、イタリア人建築家 アルド・ロッシ(Aldo Rossi)に着目し、ロッシの「都市的なもの」と「類推的都市」という概念を、現代の仮想都市の集団的実現のリファレンスとして考察することを目指した。

さらに、「The Search History」では、スペイン人の二人組ミュージシャン、サン・ジェロニモが作曲・プロデュースしたオリジナルの音楽を用意。そのサウンドスケープのリズムをバックに、変化する幾重にも重なったループ構造を提案した。

そこでは、素材の物理的な限界の先を見つめつつ、新しい視点を垣間見せながら、その流動的な動きが新しい風景を次々生んでいる。そして、継続的な動きの中で、来場者は柔らかく変化しやすいアルカンターラのファブリックでできた建築物の中に浸ることができる。

物理的な限界を超え、彼らの解釈を確実にするのは、アルカンターラの大胆なカットと唯一無二のプリント、複雑なテクスチャーである。同スタジオは作品について「“Search History”はオブジェであり、境界であり、空間でもあります。階層化された抽象的な風景の継続的な動きです。ここには都市の歴史を吸収し、記録し、復元する実体としての建物に関するロッシの考えが反映されています」と語っている。End