量子論の世界観をアート感覚で楽しむ
「量子芸術祭 Quantum Art Festival 1/4」開催中

量子コンピュータ開発に携わる研究者に光をあてた展覧会「量子芸術祭 Quantum Art Festival 1/4」が、2022年12月13日(火)まで、東京・六本木のアクシスギャラリーで開かれている。

量子物理学の世界観には、0であると同時に1でもあるという意味の重ね合わせがあるという。この不確実性が、量子コンピュータの特徴である「量子並列性(無限の計算能力)」をつくるのだそうだ。

これらいくつかの量子の特質を踏まえたうえで、芸術祭の総合監督を務めるクリエイティブディレクターの藤原 大は、「研究者が量子論を語るたくさんの言葉は、芸術へのヒントや表現のきっかけを与えるものである。もしかしたら、不確実性は、私たちが進むべき未来社会の『無限の希望』を示しているのではないか」と言う。

会場では、研究者の考えをイラストレーションや写真で表現。また、研究者は、自らの日常のなかに量子を探った「生活に観る量子」と題したエッセイを寄せている。そのタイトルは、「またあのかつ丼が食べたい」「音楽って量子じゃん」といったユニークかつイメージしやすいものばかりだ。

期間中は、研究者によるギャラリーツアーが毎日開かれ、週末にはこれからの未来社会に向かう子どもたちや家族・友人で語り合える時間も設けている。

藤原は「本芸術祭が提供するものは、物質世界と人間世界のランデブー」だとも語る。量子という目に見えない複雑で難解な世界を、日常とアートの視点から体感することのできる展覧会だ。End

量子芸術祭 Quantum Art Festival 1/4

会期
2022年12月8日(木)~12月13日(火)
時間
平日 10:00~18:00/土日 11:00~19:00
入場
無料
会場
AXIS Gallery(東京都港区六本木5 丁目17-1)
詳細
https://www.artfesq.com/

ウェビナー「アートが『観測』する量子と世界」

日時
2022年12月10日(土) 11:00~12:00
登壇者
ドミニク・チェン(情報学研究者)、久納鏡子(アーティスト・アルスエレクトロニカ アンバサダー)、森 旭彦(サイエンスライター)
URL
https://us02web.zoom.us/j/88692224846

ウェビナー「未来のゲームはどう変わっていくのか:量子と空間をイメージする50分」

日時
2022年12月21日(水) 12:00~12:50
登壇者
水口哲也(エンハンス代表、シナスタジアラボ主宰)、新 清士(株式会社HIKKY PRチームリーダー、デジタルハリウッド大学院教授)、水野弘之(日立製作所 研究開発グループ基礎研究センタ主管研究長兼日立京大ラボ長)、藤原 大(クリエイティブディレクター、デザイナー)
URL
https://us02web.zoom.us/j/88692224846