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2022.12.02 12:29
大規模3Dプリントによる住宅建築を手がけるアメリカのICONは、NASAの資金援助のもと、月面での構造物建設を実現するシステムを研究開発する「Project Olympus」を推進している。主に月や火星で採れる資源を建材として使い、NASAや民間企業が宇宙で持続的に活動できる施設を建てることを目指しているという。
「宇宙探査のあり方を『行き来する』から『その場に留まる』に変えるには、月や惑星の資源を活用した、頑丈で安定性があり、幅広い機能を備えたシステムが必要になります」と語るのは、ICONの共同創設者でCEOのJason Ballard。
NASAが進めるアルテミス計画を支援するため、最先端のハードウェアとソフトウェアを宇宙に送りこむことを計画しているという。同計画では、持続的に表面探査を行う最初の地球外サイトに月が選ばれる予定だ。だが、月での持続可能な活動には、ロケット以上のものが求められる。つまり、熱や放射線、細かい隕石から身を護る堅固なインフラを月に建設することが必要なのだ。
また、アポロ計画の際に持ち帰った月のレゴリス(表土)のサンプルやさまざまな模擬物質を使用して、月の重力を想定した機械的挙動を決定。こうした調査から着陸パッドや防風シールド、道路などの重要インフラをはじめとする月面建設のアプローチをもたらし、将来宇宙で暮らすさまざまな人の生活をサポートする計画だ。