水面に移る村の風景をイメージした
建築スタジオ noa*の新プロジェクト「Hub of Huts」

▲写真:©ALEX FILZ

イタリア・ボルツァーノとドイツ・ベルリンに拠点を置く建築スタジオ noa*は、新しいプロジェクト「Hub of Huts」をイタリア・ヴァルダーオラ(オーラング)にて完成させた。

▲写真:©ALEX FILZ

同地では、2016年にホテル「Hubertus」をデザインしたnoa*。この建築の特徴のひとつは屋外に突き出したカンチレバー式のプールにある。今回はこのプールをヒントに、空に突き出した岩のようなウェルビーイングのための施設を構想した。

同スタジオは、プールに映る周囲の村の風景をイメージして、これが現実へと具体化することを目指した。コンセプトは水平線や上下逆さまなど視点で遊ぶことである。

ホテルのファサードの南東側に突き出し、先に挙げた屋外プールの反対側にあるという。地上15mの高さに位置し、2本のカラマツの柱で支えられている。ゲストは歩道橋を通って入室。27人を収容できるリラクゼーションエリアとなっている。

▲写真:©ALEX FILZ

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また、切妻屋根を備えた小さな構造物が複数あり、上下2つのレベルでさまざまなプログラムを用意。水平線で180度回転させたように、小屋が上下逆さまに固定されているように見えるのだ。

▲写真:©ALEX FILZ

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上層はオープンなスペースで、ジェットバス2台、パノラマが楽しめるシャワー2つ、更衣室を用意。下層のスペースはプライバシーを確保しており、ソフトサウナ、フィンランド式サウナ、シャワーキャビン、アイスミストシャワー、3つ目の屋外プールにアクセスでき、そこから周囲の景色を眺めることができる。

▲写真:©ALEX FILZ

色と素材は山の景色と調和するものを選択。キャビンは自然なブラウンのアルミパネルで覆い、窓を遮るブリーズ・ソレイユにも同じ色と素材を使用した。フロアは明るいベージュのセラミックで、リラクゼーションルームの床はオイル仕上げのホワイトオークを採用している。

▲写真:©ALEX FILZ

プロジェクトを手がけた建築家 Gottfried Gruberは、「下層部に降りれば温度が上がりますし、より保護された空間が楽しめます。地球の極が逆さになって、地球の中心へと降りていくように感じられるでしょう」とコメントしている。End