NEWS | 建築
2022.11.04 19:00
ベトナム・ホーチミンに建てられたショップとオフィスの複合ビル「Tony Fruit Office」は、豊かな植栽を取り入れたグリッド状のファサードが印象的な建築である。
敷地はT字路にあり、公共公園と広場が見渡せるが、2面のファサードは朝から晩まで直射日光が当たるため、屋内が熱くなるという問題を抱えている。設計を手がけた同市に拠点を置くTAA Designによると、ホーチミンのような熱帯地方にある都市において、建物内の作業環境を改善するためのデザインを採用したという。
ファサードはくりぬいたように奥まっており、室内から都市の風景をゆったりと見渡せるだけでなく、中間的なスペースを設けることでシェードとしても機能する。さらに、壁面を後退させることで、屋外の植栽のためのスペースができ、直射日光が当たるファサードに天然のカバーが生まれた。
また、建物を取り囲む植物によって、オフィススペースから緑があふれる新鮮な景色を楽しむことができる。各フロアに配されたこのような緑のシステムは、別のフロアと視線のつながりを生み出し、各スペースの体験をさらに向上させるそうだ。