上海の建築オフィス Wutopia Labによる
おとぎ話のような書店のデザイン

▲© CreatAR Images

中国江蘇省塩城市ではこのほど、大人も子どもも楽しめる本屋がオープンした。Duoyun Bookstoreのために中国・上海の建築オフィス Wutopia Labがデザインしたこの店舗は、まさにネバーランドを思わせる空間である。

同事務所が目指したのは「本屋らしいデザイン」をなくすことだったという。クライアントからはイタリアの絵本作家 Cristina Làstregoの3つのアニメーション映画を紹介され、その壮大なシーンと想像力に感動して、生命の起源をテーマに、これまでにないおとぎ話のような書店を構想したそうだ。

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エントランスは、黄色の外観に赤い内側の船が本の海の港に停泊しているイメージとし、八角形の塔で港に立つ灯台を表現。塔の中央には、2階建ての白い本棚をつなぐ赤い螺旋階段がある。そこを1階まで下りて、傾斜した屋根の中央を見上げると、太陽のようなデザインに気づく。

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この塔を出ると半屋外の回廊である黒い森が登場。黒い金属製のポールがまばらに配置しており、太陽が差し込むと、光が緑の隙間を通り抜け、森のような光のきらめきが黒いフロアに現れる。

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屋内に入ると、雲をテーマにしたファミリー向けのエリアやカフェテラスがある。層状の通路には白いグラデーションのパンチングメタルやつや消しステンレスパネルを使うことで、雲の中を歩いたり休んだりしているように感じられる。

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メインとなるのは1階の書店エリアで、小さな部屋を離れて配置し、テーマごとに絵本を4つのグループに分けている。それぞれ動物の形をした入り口で、静かな読書ができるように内部は白に統一した。

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屋外のテラスには赤いパンチングメタルのテントが立っており、遠くからは炎にも見える。その内側には木馬があり、床には蛍石を採用。夜になると、昼の光を吸収した蛍石が星空のように輝くという。「スターガーデン」と呼ばれるこのテントは、「いつも小さな子どもでいたい、楽しく過ごしたい」という子どもの思いを表現している。End

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