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2022.10.06 14:17
ドイツ ヴァイル・アム・ラインにあるヴィトラ・デザイン・ミュージアムでは、展覧会「Hello, Robot. Design between Human and Machine」が開催されている。同展では、「Eggshell Pavilion」という作品が公開された。
このパビリオンを手がけたのは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校のGramazio Kohler Research。デジタルデザインとロボットアームによる3Dプリントを駆使して、リサイクル素材による極薄の型枠を作り、自在な形状のコンクリート構造物を作成するプロジェクトである。効率的に成形ができ、従来の型枠よりも労力とコストを抑えることができるという。
今回使われた型枠の厚さはわずか3~5ミリ。以前使用した型枠の一部をリサイクルしたガラス繊維強化PETGでできている。4本ある柱のひとつをプリントするのに約6時間、4枚ある床スラブのひとつをプリントするのに最大16時間かかったそうで、それぞれ従来の鉄筋で補強されている。
柱にはデジタル制御の成形プロセスを使い、急結コンクリートを使用。この急結コンクリートは型枠への圧力を最小限に抑え、薄い3Dプリントの型枠にも破損のリスクを与えることがない。
また、床スラブは、高さがなく、型枠の圧力が限られているので、従来の自己充填コンクリートを採用。コンクリートが完全に固まると、型枠を取り外し、洗浄・細断して次の3Dプリントで配合して再利用できるそうだ。