旧九段会館を保存・復原してオフィスビルに
テクノロジー×ウェルネスによる「九段会館テラス」開業

東急不動産鹿島建設は、東京都千代田区の「九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)」を2022年10月1日(土)に開業することを発表した。

同施設は、「水辺に咲くレトロモダン」というコンセプトのもと、登録有形文化財建造物「旧九段会館」を一部保存しながら、最新テクノロジーの活用や企業の健康経営など、現代のさまざまなニーズに合わせて建て替えたもの。

創建当時の貴重な技術・素材を活かして歴史的建造物の保存・復原を行った「保存部分」と、濠を臨みIoTを活用した地上17階建てオフィスとなる「新築部分」が融合した、レトロモダンな施設となる。

施設内は、東急不動産が展開する会員制シェアオフィス「ビジネスエアポート九段下」に、MONOSUS社食研が運営する新しい形の職域食堂「九段食堂 KUDAN-SHOKUDO for the Public Good」を併設。オフィスワーカーの健康をサポートするクリニックモール、店舗なども備える。

さらに、創建当時の意匠を保存・復原した「九段会館テラスコンファレンス&バンケット」が誕生。バンケットルーム(真珠・鳳凰)は、戦前の絵はがきや写真などの創建当時の資料をもとに、床材をヘリンボーン張りのフローリングに変更し、壁紙は特注織物のクロスへの張り替えなどを行ったという。

建物正面の玄関ホールは、創建当時から床や壁に用いられてきた大理石を活用し、重厚な雰囲気が楽しめる。床や天井なども、創建時の素材に近い風合いでありながら、モダンさをあわせ持つ建材を厳選し、レトロモダンな空間を演出している。

これまで応接室・役員室として使われていた部屋は、パントリーなど後年に設置された箇所を撤去した上で補修・復原して、「ゲストルーム 雅・葵」に改装。90年前の雰囲気をそのままに、寄木貼りの床や絹織物(紗織)の天井、家具によるオーセンティックな空間を演出する。

また、保存部分屋上には、一部来館者も利用可能な屋上庭園とラウンジを整備。屋上庭園にはオリジナルの健康家具も配置し、さまざまなシーンで活用できる開放感と緑あふれる空間となる。施設北側の正面玄関前には、外部との交流を生む緑豊かな広場として「九段ひろば」も設置している。End