隈研吾が設計を手がけ、原研哉がロゴデザインを担当した大分県由布市湯布院町の現代美術館「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」では、2022年7月に新館がグランドオープンした。展示エリアは約2倍に拡大し、より多くの現代アート作品を空間ごと楽しめる美術館となった。

本館は由布院の集落に溶け込む「ムラ」というコンセプトのもとに、黒を基調としながらも木の質感を感じる焼杉の外壁で仕上げた。今回オープンした新館も隈研吾が担当しており、黒を基調とした外観で、豊かな自然を映す水を取り込んだ設計が施されている。

▲©Satoshi Ikuma

▲本館1階 水盤越しに向かい合う2つのギャラリー(2017年撮影)

本館1階の既存ギャラリー内には、水盤を隔ててガラス越しに向かい合う2室に、草間彌生の「かぼちゃ」や「インフィニティ・ネット」など20数作品の平面作品を展示。眼前に由布岳を望む2階のオープンギャラリーには、奈良美智の「Your Dog」をはじめ、森万里子や名和晃平の立体作品を展示している。

新館1階には、宮島達男の立体作品を展示。これと合わせて、本館2階のオープンギャラリーの3つの立体作品は、由布院の自然豊かな土地に合わせ制作されたという。

▲Tatsuo Miyajima
Time Waterfall – panel #C , 2020
コンピューターグラフィック、LEDディスプレイ320.0 x 61.0cm

▲Mariko Mori
Eternal I , 2019-2021
Aluminum, paint, and lacquer
399 x 323 x 362 cm

▲Takashi Murakami
Kawaii! Vacances d’été: Above Us, the Azure Sky , 2016
アクリル絵具、キャンバス、アルミニウムフレーム 100 × 300cm

▲Kohei Nawa
Ether (lava) , 2021
ステンレス、アルミ鋳造
480.0 x 67.0 x 67.0cm

▲Hiroshi Sugimoto
Caribbean Sea,Jamaica , 1980
ゼラチンシルバープリント
152.4 × 182.2cm

また、2021年10月には、美術館に隣接する簡易宿所「COMICO ART HOUSE YUFUIN」がオープン。1棟貸し、露天風呂・庭付きのプライベート別邸を提供しており、豊かな自然と共にアートとゆっくり向き合う時間を楽しむことができる。