伊豆半島の最南端の崖の上、人知れぬモダニズム建築があり、今そこにダイソンの最新の製品が設置されている、という話を聞いて、夏休みのある日実際に行ってみました。
伊豆といえば東京から程近いリゾート地のイメージがあります。しかし伊豆急下田駅のホームにあるモニュメントによると、伊豆急下田から東京までは167.2km! 青森までなんと906.4 kmも。東から西への距離はそれほどなくても、伊豆半島は南に相当長いんですね。この下田駅からさらに南下した南伊豆町にあるのが、今回の旅の目的地 Izu Cliff Houseです。
夏休み中ということもあり、電車内は、すでに水泳帽や浮き輪をつけてやけにテンションの高い小学生とともに、快適な特急踊り子号で東京から約2時間40分で伊豆急下田駅に到着です。そこからクルマで約40分ほど。
まわりにはコンビニもスーパーもない。室内にはテレビもない、国立公園の自然保護区の中。自然と建築とデザインを楽しむ時間が始まります。
Izu Cliff Houseは物理学者とフランス人の仏文学の研究者の夫婦が、前川國男建築事務所出身の小崎義昭に依頼し建てた別荘。60年代のモダニズム建築の雰囲気のある、しかし竣工は74年のものだそう。現在は1棟貸切の宿泊施設となっています。
鉄骨造の2階建。天井、壁がガラスでできた1日の陽の流れを感じることができる開放感いっぱいの空間。が、しかし。ガラスやコンクリートを素材としたモダニズム建築というのは保存が難しい。また50 年経った建造物に住むとなると排水、温度、換気、採光といろいろ問題が出てきます。そこで、家の中で使う家電の性能が問題になってきます。
こちらがダイソンの加湿空気清浄機(Dyson Purifier Humidify+ Cool)。伊豆の静謐な空気の中で、空気清浄機など必要なのだろうかと思いましたが、湿度の調整にはとても役立ってくれました。かなりのヴォリュームですが、周囲に溶け込む形で、音も静か。
泊まったホテルのヘアドライヤーがこれだと嬉しい、Dyson Supersonic lonic ヘアドライヤー。
そしてダイソンといえば掃除機。ダイソンの自伝「インベンション 僕は未来を創意する」によれば、最初の掃除機では、モデルに到達するために5,127個のプロトタイプをつくったという記述があります。この掃除機、Dyson Omni-glide™コードレスクリーナーも確かにすごい。吸引力はもちろんですが、軽くて小回りが利くので、
こんな階段でも使いやすく、短い時間で掃除ができます。
ここは東海バスの伊浜の終着所。伊浜漁港までは散歩できる距離ですが、帰りはずっと上り坂なので、バスで帰ることをおすすめします。本数は少ないですが、東海バスの路線はなかなか良いところを走っているので、ローカルバスの旅にぴったりです。
テラスの先はずっと青い海。世界地図やグーグルマップを見ると青い色が果てしなく続き、最初にあらわれる文字が「フィリピン海」でした。
建築や家具、プロダクトは立体です。写真で見て美しいものでも、実物を見て触って実際に使ってみないと本当に良いものかどうかはわからないもの。
建築の中に身を置き実際の家具やプロダクトに触る旅をこれからもしていきたいものです。(文/AXIS 辻村亮子)