NEWS | プロダクト
2022.08.30 16:00
水まわり製品を手がけるSANEIのために、佐藤オオキが率いるデザインオフィス nendoがコレクション「soroe」のデザインを手がけた。
住空間を構成するさまざまな建築金物や水栓金物は、それぞれ機能や役割が異なるため、形状や仕上げはバラバラになり、結果的に空間のノイズとなってしまうことがある。そこで、今回は統一されたデザインのコレクションを開発した。
断面が円形のものは握った際には手に優しいが、滑りやすいというデメリットがあり、複数を隣接させて並べると隙間もできてしまうので、円柱の一部を削ぎ落とし、一部が「面」になっている造形をコレクションの基本形体とした。
これにより、指や物が引っかかりやすくなり、複数がぴたりと並ぶようになった。さらに、この面が水平・垂直のラインを強調するため、水平の床と垂直の壁で構成される居室において、空間のノイズとならずに調和をもたらした。
基本形体を横方向に引き伸ばした「バー」は、そのままドアハンドルやタオルハンガーになるほか、バーと壁の間に棚板を固定するとシェルフにもなる。そこには、オリジナルのトレイやフック、コンテナ、ミラー、カップ、ソープディスペンサーなどのアクセサリー類を上から引っ掛けるだけで、簡単かつ確実に取り付けられる。
ダストボックスはフタが2点だけで支持され、前後のバランスをとった状態で乗っているため、フタの先端を軽くもち上げると自重で開き、少し触れるだけで自然と閉じる機構となっている。
蛇口は通常タイプと壁付けタイプを用意。さらに、レバーハンドルや回転式ドアロック、ドアノブ、ドアストッパー、トイレットペーパーホルダーなども同じ造形ルールに従ってデザインした。回転式ロックは、施錠を示す赤色が回転させると自然と現れるようになっている。
住空間における脇役的な存在でありながら、それぞれが共通の削ぎ落とされた「面」をもつことによって、空間全体を整えてくれるコレクションとなっている。