バッテリーもBluetoothチップもいらない!?
極薄ウェアラブルセンサーを米MITが開発

▲Courtesy of the researchers

近年はますます発達しているウェアラブル技術だが、このほど米マサチューセッツ工科大学(MIT)が新しいウェアラブルセンサーを発表した。

従来のワイヤレスセンサーの多くは、小型バッテリーで動くBluetoothチップを介してデータを伝達するが、こうしたチップや電源は、より小さく、より薄く、より柔軟なものを目指す次世代センサーにとってはかさばるのだそうだ。

そこでMITが開発したのは、チップやバッテリーを搭載せずにワイヤレスでデータのやり取りができる、そんな新しいタイプのウェアラブルセンサーだという。

センサーに使われるのは「電子スキン(Eスキン)」と呼ばれるもので、セロテープのように皮膚に貼りつく柔軟な半導体フィルムである。また、センサーの中心部には、窒化ガリウムの極薄・高品質のフィルムを用いた。

この窒化ガリウムは、機械的歪みに反応して電気信号を生成するとともに、電気インパルスに反応して機械的に振動するなど、センシングとワイヤレス通信の両面で機能する材料となるのだ。

研究チームは、「ばんそうこうのように体に装着して、モバイルのワイヤレスリーダーとペアリングさせれば、脈拍や発汗、さらにはそれ以外の生体信号をワイヤレスでモニタリングできます」と説明。

さらに、「脈拍に変化がみられたり、汗に化学物質が含まれたり、皮膚が紫外線にさらされたりと、さまざまな活性によって、窒化ガリウムのフィルム上で弾性表面波のパターンが変化します。開発したフィルムは感度が非常に高いので、これらの変化を検出できるのです」と語っている。End