小泉創がデザインした風鈴「SEVEN」
テンセグリティ構造で「安定と不安の間」を表現

デザイナーの小泉創(SO KOIZUMI DESIGN)は、「安定と不安の間」をテーマにした自主プロジェクトから生まれた風鈴「SEVEN」を発表した。

近年の不安定な社会状況の中で、人や社会は常に安定と不安を行き交い、一喜一憂し漂いながら生きている。そんな思いから、小泉はテンセグリティ構造による風鈴を制作。

それは、現在の社会を具現化したように安定と不安定の間を彷徨う構造であり、同氏はその間に人の感情を動かす何かがあると考えたという。

「SEVEN」は、一見浮遊しながら安定しているように見えるが、風などの外部からの力が働くことで、均衡を保つために揺れが発生する。この揺れを音に変換することで、空間に音色を響き渡らせ、日々の生活に癒しや彩りを与えてくれる。

パーツはすべて真鍮でできており、それらの絶妙なバランスで成り立っている。バランスを保つには精度の高い技術力が必要とされるため、金属加工で知られる富山県高岡市にて製作。総指揮をとった佐野政製作所をはじめ、鋳物・曲げ加工・溶接など各分野のスペシャリストの技術力を結集したそうだ。

「SEVEN」の由来は2つあり、ひとつはテンセグリティ構造によって横から見ると「7」を組み合わせた形状になっていること、もうひとつは高岡の「7つ」の工場とその職人によって製作されていることから名付けられている。End