MAD Architectsが伊ミラノ近郊で手がける
交通・輸送のための複合施設「MoLo」

建築家のマー・ヤンソンが主宰する建築設計事務所 MAD Architectsは、イタリア・ミラノ近郊で手がける複合施設「MoLo(Mobility and Logistic hub)」のデザインを発表した。革新的な機能、最先端の技術、印象的な外観が一体となった、世界中の都市部の交通・輸送システムの未来を提案する施設である。

この建物は、「Milano Innovation District(MIND)」と呼ばれる、最先端の科学的研究・教育、ビジネス、レジャーの施設が集まる地区の西端に沿って建設されるそうで、敷地面積は68,800 平米、総床面積は11,195平米の建築で、幅170m、奥行き50m、高さ28.5mを誇るという。

施設はモビリティ関連に特化しているそうで、エントランスのほか、訪れた人が乗り物を降りて革新的な交通・輸送技術を見て回ることができる教育スペースを設置。さらに、地上7階、地下1階の建物内には、3,000平米の商業スペース、研究施設、オフィス、スーパーマーケットなども入居する。

MoLoの中心となる5階建ての駐車場は、1,500台の自動車を収容可能で、近隣からのアクセスもしやすい。2つの町の境界に位置しており、これらを接続させるために、外側にはシルバーに輝く階段をデザインした。

また、他のプロジェクトと同じように、MAD Architectsは自然と建築の融合を目指した。メインファサードには植物を植えることで、大気中のCO2の吸収と近隣の美化を実現。垂直庭園とすることで、周囲の緑豊かな景観に溶け込むようにしている。

さらに、オープンギャラリーを設けて、屋内と屋外の境界をなくし、付近にある公園とも直接的に接続。ギャラリーの天井には、歩行者の進行方向にたなびく大きな雲のような彫刻が楽しめるそうだ。

建物は、DfMA(Design for Manufacturing and Assembly、製造・組立を容易にする設計)方式により、材料ロスと労働時間の削減を実現。8,000平米を超える太陽光パネルも上部に設置するとしている。End