音楽再生機器の再発明を目指すプロトタイピング
「Yamaha Sound Machines」

ヤマハは、スイス・ローザンヌ州立美術学校(ECAL)と産学共同プロジェクトに取り組み、その成果発表を2022年6月12日(日)までミラノデザインウィーク2022で展示している。今回は「Yamaha Sound Machines」と題して、新たな音楽再生機器の在り方を提示するプロトタイプ作品を制作した。

▲Charlotta Åman「Bandmait」
AI(人工知能)の力を借りて、ミュージシャンに楽器の新しい練習方法を提供する音楽プレーヤー。

音楽の楽しみ方や聴き方は、時代とともに変化し、多様化してきた。さらに、コロナ禍を経て、人々の価値観や生活様式は大きく変わり、物事の変化のスピードはさらに加速しつつある。

Ka Yin Cheung「ASMR Instruments」
▲ASMR(自律感覚絶頂反応)は日常生活の仕草や物音をストリーミング配信し、聴く人にリラックスしたひと時を提供するとされている。ASMR Instrumentsはデジタル機器を必要とせずに、リスナーに同様の感覚をもたらしてくれる。

このような私たちを取り巻く環境を踏まえて、ヤマハデザイン研究所はECALとの共同で、これからの時代に音楽の聴かれ方がどのように変化するかを考えるワークショップを実施。ヤマハのデザイナーとECALの教授の指導のもと、ECALの学生たちが課題に取り組み、6点のプロトタイプが完成した。

▲Jisan Chung「Sound Frame」
愛用のオブジェをトリガーとし、そのオブジェクトに関連したお気に入りの音楽を聴くことができるスピーカー。

最近ではスマートフォンで音楽を視聴する機会が多い。そこで同プロジェクトでは、こうした画面上で動作が完結する音楽体験とはまったく異なる、感情を揺さぶる物理的な質感を重視してデザインに取り組んだという。

▲Jonas Villiger「Vertical Player」
2019年、レコードの売り上げがmp3やCDを上回った。Vertical Playerは回転するレコードを台座に垂直にディスプレイすることで、リスナーに意外な体験を提供する。

また、AIや配信コンサート、ASMRなどの最新技術やトレンドを採り入れつつ、フィジカルなモノとしての魅力を備えた音楽再生機器から生まれる、新たな音楽体験が楽しめるそうだ。詳細はECALのサイトからも見ることができるので、ぜひチェックして見よう。End

▲Silvio Rebholz「Spezi」
家庭でよく使われるさまざまな音楽プレーヤーを、よりスムーズに使い分けることができるホームスピーカー。

▲Till Ronacher「Stagespeaker」
実際のコンサート環境を模倣した音と光の組み合わせで、家庭でのライブストリーミングコンサート需要の高まりに答えるホームスピーカー。

Yamaha Sound Machines

会期
2022年6月7日(火)~6月12日(日)
11:00~20:00(現地時間)
※最終日6月12日(日)は16:00で終了
会場
イタリア・ミラノECAL展示ブース内
(Spazio Orso 16, Via dell’Orso 16, 20121 Milano, Italy)
詳細
https://www.yamaha.com/ja/about/design/events_topics/milan_design_week_2022/