MAD Architectsがデザインする
中国・三星堆博物館の新プロジェクト

建築家の馬岩松(マー・ヤンソン)が率いるMAD Architectsは、中国四川省にある三星堆博物館(Sanxingdui Museum)の新たなプロジェクトのデザインを公開している。

この地は古代中国の三星堆遺跡があるところで、同博物館はこの遺跡から出土したものを展示している。新プロジェクトでは、深い緑と澄んだ水が織りなす古代のランドスケープに木造構造物をクラスター状に配置して、三星堆文化を称える公園を整備することで、人類と自然、過去と未来が融合する都市と文化の公共空間が生まれることになる。

公園はコアとなる保護区域の北東角にあり、総面積は90,000平米を誇る。MADが手がけるのは東西に点在する6つの木造建築物で、5,830平方米のビジターセンターを起点として、大小さまざまな5つの新しい博物館が直線状に伸びる計画である。

日が沈むと、これら6つの建物は「目」のように輝く。「地球の目」や「古代文明の目」、「自然の目」にも見えるだろう。また、日中は、公園の自然の風景を反映した木造のファサードが楽しめる。屋上の天窓からは自然光が差し込み、広いスパンの木造構造により、建物内に柱のない開放的な空間が生まれ、展示レイアウトに大きな柔軟性がもたらされるという。

公園については、人類が自然と出会う場所をテーマに、大きなまとまりがひとつあるのではなく、周囲の風景を取り込んで相互作用するスキームを計画。自然の木々と水辺を可能なかぎり大切に保存し、これらを新しい建物と調和させることで、建物と風景が一体となった雰囲気が生まれるそうだ。

北向きの展示ホールは異なるプログラムのブロックと接続しており、グリーンルーフとともに起伏のある風景を形成。鴨子河が流れる北側から2階のグリーンルーフへと歩けば、風光明媚な公園と川の360度の景色を楽しむことができる。End