Google、肌の色の「公平性」を向上させる
10色のカラースケールを開発

私たちの身の周りにはさまざまな肌の色が存在している。実生活であればすぐにわかるかもしれないが、たとえばスマートフォンのカメラで撮影した画像では、肌の色が現実とは違ってうまく表現されないことがあるという。

▲「Monk Skin Tone Scale」の10色

こうした肌の色の「公平性」という課題を改善しようと、Googleは2021年、Pixel 6向けに「リアルトーン」と呼ばれる機能を追加した。これにより、さまざまな民族の肌の色を的確に表現できるようになった。

これに続き、同社はこの機能を向上させる取り組みをこのほど発表した。このプロジェクトに参加したのは、肌の色やカラリズム(肌の色の濃さによる差別)が人々の生活にどのように影響するかを研究してきた、米ハーバード大学の社会学者 Ellis Monk教授である。

今回、両者は共同で、10色からなる包括的な肌の色のスケール「Monk Skin Tone Scale」を開発した。このスケールはGoogle製品に順次追加される予定で、さらに同社以外の誰でも研究や商品開発で使えるように一般公開されている。

これまでのコンピュータビジョンシステムの課題は、幅広い肌の色を含めるように意図的に構築・テストしないと濃い肌の色をもつ人に対してうまく機能しない、ということだった。そこで、「Monk Skin Tone Scale」を使えば、あらゆる肌の色をもつすべての人に適した機能や製品が作れるようになるとしている。

たとえば、Google画像検索でメイクについて調べると、検索結果を肌の色によってさらに絞り込むオプションが表示される。「ふだん使いのアイシャドウ」や「ブライダル用のメイク」を調べれば、求める結果を簡単に見つけることができる。

また、このスケールにより、Googleフォトの肌の色の表現も改善。「リアルトーンフィルター」機能により、さまざまな顔色から自分にあったものを選べるようになるそうだ。End