ポルシェの「エンジン音」を楽しむ
コンセプトサウンドが公開

近年はEVが普及したことで、自動車のエンジン音が静かになったと感じる人も多いだろう。その一方で、さまざまなモデルがもつ独特のエンジン音を懐かしむ人もいるのではないだろうか。こうしたカーマニアのためにポルシェが先ごろ公開したのが、この自動車メーカーを代表するモデルのエンジン音である。

たとえば、1948年に登場した「ポルシェ356」では、空冷水平対向4気筒エンジンが奏でる、ガタガタという低いエンジン音を楽しむことができる。それはいわば、ピストンやバルブ、タイミングベルトとロッカーアーム、吸気や圧縮、燃焼が一体となった、メカニカルなオーケストラによるサウンドである。

▲Porsche 356, 2022, Porsche AG

「ポルシェほどサウンドの開発に多くの時間を費やしたメーカーは他にありません」と語るのは、ポルシェのサウンド・コンセプトチームのTobias Hillers。彼らは2015年から電気自動車「ポルシェタイカン」のサウンドを開発してきたという。

もちろん、EVにモーター音をつけるのは安全上の理由もある。そこで、ポルシェの音響チームが、ユニークでスポーティ、パワフルなポルシェならではのサウンドを開発。それは、タイヤやトランスミッション、モーターによる「タイカン」独特の「声」なのだそうだ。

▲Porsche Taycan, 2022, Porsche AG

Hillersは、そのサウンドとは人工的なものではなく、「車にフィットし、本物らしくなければいけません」と言う。「私たちは、本当に良く聞こえるサウンドのコンポーネントは組み入れ、あまり魅力的でないサウンドは除外しました」。こうしてサウンドの開発には多くの時間を費やしたそうだ。

「356」から「タイカン」まで、音響チームが開発した各世代のエンジンのコンセプトサウンドは、公式サイト上で視聴することができる。ぜひ体験してみよう。End