第59回ヴェネチア・ビエンナーレ 国際美術展
⽇本館でダムタイプの新作「2022」が公開

▲新作のためのコンセプトイメージ ©ダムタイプ
写真:福永一夫+ダムタイプ、写真提供:ダムタイプ

イタリア・ヴェネチアでは、「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ 国際美術展」が2022年4⽉23⽇(土)から11⽉27⽇(日)まで開催される。同展の⽇本館展⽰では、コミッショナーは国際交流基金が主催、アーティストグループ・ダムタイプによる新作「2022」が世界初公開される。

ヴィジュアル・アート、映像、コンピューター・プログラム、⾳楽、ダンス、デザインなど、さまざまな分野のアーティストで構成されるダムタイプは、1984年に活動を開始。以来、国内外の美術館や劇場などでインスタレーションや映像、パフォーマンスを中⼼とした活動を展開してきたアートコレクティブの先駆け的な存在である。

▲ダムタイプ《TRACE/REACT II》2020年、インスタレーション、10m × 10m × H6m、
「ダムタイプ|アクション+リフレクション」展、東京都現代美術館、2019–20年
©ダムタイプ|写真:福永一夫|写真提供:ダムタイプ

新作「2022」では、展⽰室の中⼼から北・東・南・⻄の⽅⾓に置かれた4台の⾼速で回転する鏡にレーザーを反射させて、周囲の壁に⽂字を投影。1850年代の地理の教科書から引⽤されたテキストが、シンプルで普遍的な問いを投げかけるという。

さらに、回転する超指向性スピーカーからはテキストを朗読する⾳声が流れ、⾳のビームとなって室内を移動し、不意に鑑賞者の⽿元に届くそうだ。

▲ダムタイプ《2020》2020年 、パフォーマンス、ロームシアター京都
©ダムタイプ|写真:福永一夫|写真提供:ダムタイプ

この作品は、インターネットやソーシャル・メディアの進化・発展、さらには世界的に感染が拡⼤した新型ウイルスにより⼤きく変化した、⼈々のコミュニケーションの⽅法や世界を知覚する⽅法について、あるいは「Post Truth」や「Liminal Spaces」について問うものとなる。周囲を取り囲む⾔説群とは対⽐的な部屋の中央の空所は、どこでもない場所であり、どこでもある場所になるとしている。End