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2022.03.29 14:30
ソニーとスタイレム瀧定大阪は、ソニーが開発した籾殻由来の多孔質カーボン素材「Triporous™(トリポーラス)」を使用した提案「Triporous:Space QOL Series」が、国際宇宙ステーション(ISS)への搭載を目指す生活用品アイデアのひとつとして選定されたことを発表した。
トリポーラスは、世界中で年間約1億トン以上排出されるという、余剰バイオマスである米の籾殻を原料にしたサスティナブルな新素材。従来の活性炭では吸着しづらかった物質の吸着ができ、吸着スピードも高いという。
用途に合わせて形状や粒度(メッシュ)を調製できるため、消臭繊維などのアパレル分野、浄水フィルターなどの水浄化分野、エアフィルターなどの空調産業分野、洗浄剤などのヘルスケア分野といった幅広い応用が可能だそうだ。
今回の提案は、両社がJAXAの「第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデア募集」に共同で行ったもの。「Triporous:Space QOL Series」は、リラクシングウエア・インナーウエア・タオル・ポーチの4つのアイテムで構成される。
今後、両社はアイデアのブラッシュアップ、宇宙飛行士によるプロトタイプ確認などを経ながら、トリポーラスを繊維に応用した衣類や生活用品等を開発する。安全性などの制約条件をクリアしながら、2023年以降のISSへの搭載を目指すとしている。