デザイナー7名の資質を反映する
E&Y展覧会「Thirty-six views」開催

ファニチャーレーベル E&Yは、2022年4月15日(金)から4月24日(日)まで、東京・六本木のアクシスギャラリーで展覧会「Thirty-six views」を開催する。

▲INTERACTION_CHAIR 中村 圭佑 & 熊谷 晃希
木工家具特有な製造過程を極端なまでに顕在化させ、それ自体が新たな工法となって、新たな形を生み許容を積み重ねることで新しい景色が生まれる。

同展では、ジュリ・リショズジュリ・トルバネン中村 圭佑二俣 公一元木 大輔、中村 圭佑・熊谷 晃希、二俣 公一、スズキ ユウリ計7名のデザイナーによる、ファニチャーライン4作品、限定生産であるエディションライン4作品、合計8作品を発表する。

▲SKETCH VASE ジュリ・トルバネン
溶けたガラスがハサミで切れることに驚き、いくつかの花器をスケッチして、熟練のガラス職人が解釈した私のスケッチと加工されている間に起こる、生き生きとした、計画外のねじれや歪みから、さらに遊び心が生まれる。

タイトル「Thirty-six views」は、2021年に36周年を迎えたE&Yが、36年間の視点を経て今の視点を考えるものというだけでなく、三十六が持つ「多数」「全ての方角」という意味を「三十六景」として、カタログの各アイテムの絵との親和性を図るものでもある。

▲ESKER 二俣 公一
シンプルな形状・構造のチェアに対し、ラインやサーフェイスへ独自のスムージングを施すことによって、フレームから座面に至る全体が一体的フォルムを成したスタッキングチェア。

この新たなカタログは開催にあわせて発表。そこには既存作品から同展で発表する新作までを集録している。各作品と対になるビジュアルは、油絵や水彩で作品の要素を抽出して描いており、コレクションを「作品」と呼ぶ意味をより強調したカタログになるそうだ。

▲STOP MAKING SENSE 元木 大輔
見方を変えることで、今までの世界が全く違って見える。そういう視点の移動を「リフレーミング」という。視点だけを変えることで、最小限の手数で意味をポジティブに変換することができる。

世界中のデザイナーが自身の美意識や欲求、目的を照らし合わせながら、日々どういった考えを持って社会に投げかけるべきかと、迷い、そして強く過ごしている。ぜひ、本コレクションを通してそんなデザイナー達の強さの一部を感じてほしい。End

Thirty-six views(サーティーシックスビューズ)

会期
2022年4月15日(金)~4月24日(日)
11:00~19:00 (最終日は18:00まで)
会場
AXIS Gallery(東京都港区六本木5丁目17-1-4F)
詳細
https://www.eandy.com/news/

ジュリ・リショズ
スイス系フランス人デザイナー。ローザンヌ美術大学(ECAL)を卒業後、ピエールシャルパンに師事しパリに自身のデザインスタジオを設立。オブジェ、家具、照明、テキスタイルだけでなく、アートピースの製作等幅広く活動を行っている。2017年以降は、ローザンヌ美術大学(ECAL)で工業デザインの講師も務める。主な受賞歴は、Design Parade でのグランプリ(2012)、Swiss Design Awards(2015/2019)、Bourse Leenaards(2016)を受賞。Hublot Design Price(2016)のファイナリスト等多数。

ジュリ・トルバネン
1970年アメリカ生まれ。建築学科を卒業後、12年間木工職人としての活動や大学やクラフトスクールにて家具デザイン、デザイン史コースの教鞭を執る。その後、フィンランドへ移住しAalt University にて家具デザインの修士号を取得。2015年、夫のMika Tolvanen とフィンランドでStudio Tolvanen を設立。ヨーロッパ、北米、アジア圏の幅広いクライアントとプロジェクトを行う。主な受賞歴は、Good Design Award from Chicago AthenaeumやInterior Products award from the Association of Interior Design Editors of Finland 等。

中村 圭佑
1983 年生まれ。静岡県浜松市出身。2011年に設計事務所<DAIKEI MILLS>を設立。商業空間や公共施設など様々なデザインプロジェクトに取り組みながら、一貫して人と空間の在り方について考え続けている。2019 年には、社会の遊休スペースを時限的に占有し一般へ解放する運動<SKWAT>を開始。2021年より、多摩美術大学環境デザイン学科の非常勤講師を務める。

二俣 公一
1975年鹿児島生まれ。福岡と東京を拠点に空間設計を軸とするケース・リアル(CASE-REAL)とプロダクトデザインに特化する二俣スタジオ(KOICHI FUTATSUMATA STUDIO)の両主宰。国内外でインテリア・建築から家具・プロダクトに至るまで多岐に渡るデザインを手がける。主なプロダクト作品に、「HAMMOCK(E&Y)」「in the sky(E&Y)」「valerie_objects のためのカトラリー(valerie_objects)」「キウル ベンチ(Artek)」など。デザインした真空管アンプ「22(EK Japan)」はサンフランシスコ近代美術館の永久所蔵品となっているほか、その他受賞多数。2021 年より神戸芸術工科大学客員教授を務める。

元木 大輔
1981 年埼玉県生まれ。2004年武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業後、スキーマ建築計画勤務。2010年DDAA 設立。2019年、コレクティブ・インパクト・コミュニテイーを標榜し、スタートアップの支援を行う Mistletoe と共に、実験的なデザインとリサーチのための組織DDAA LABを設立。2021年第17回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展参加。

▲熊谷 晃希
1992 年北海道生まれ。武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科卒業の後、設計事務所<DAIKEI MILLS>勤務。2022 年独立。

スズキ ユウリ
1980年東京生まれ。99年~2005年、アートユニット明和電機に携わり「音楽とテクノロジー」に関心を
持ち、2005年Royal College of Art へ入学。音楽と音がどのように思考に影響を与えるのか、音と人の関係性について提議した作品を制作し、そのサウンドアート作品とインスタレーションは、世界中の展示会に展示されている。2013年より、Royal College of Art のデザインプロダクツ科にて教鞭を執り、ニューレディオフォニック・ワークショップのメンバーとしても指名される。2014 年には、DIY 楽器OTOTOがMoMAのパーマネントコレクションに選定された。2018年より、世界最大のインディペンデントデザインコンサル
タンシーPentagramで共同経営者を務める。