REPORT | 展覧会 / 工芸
2022.03.25 17:51
伝統工芸のメッカ、京都で日本最大級の工芸イベント「クラフトポイントキョウト(CRAFT POINT KYOTO)」が2022年3月31日(木)まで開催されている。
京都市が定めた、3月21日「伝統産業の日」(毎年春分の日)に向けて、2月から3月にかけて開催されている本展は、みやこめっせ内の「京都伝統産業ミュージアム」を中心に、hotel kanra kyotoの客室全てを展示会場とした「DIALOGUE」、出町柳商店街ではFUDGEによる「FUDGE Marche」が開かれるなど、京都市内各所で伝統工芸を体験することができる。
新時代の工芸
メイン会場の京都伝統産業ミュージアムで開催されている「新時代の工芸」では、京都市の伝統産業に定められている74の伝統工芸品を通じて、京都の伝統工芸の歴史や職人の技が一堂に会する。そうした伝統工芸の技術を活かした現代の暮らしに寄り添った、新しいプロダクト25点を展示。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、催事・行事といった販売機会が激減し、深刻な影響を受けている京都の伝統産業を支援する取り組み。伝統を受け継ぐ品々が次代のものづくりの指針となることを目指している。
新・旧問わず会場内に展示されているもの全てが購入できるようになっており、価格帯は手頃なものから何百万円という高額商品まで豊富なラインアップ。伝統工芸を学びつつ、お気に入りの工芸品を購入し、自宅でも伝統工芸品楽しむことができる。(一部の商品はオンラインでも購入が可能。)
Land of KOUGEI
同会場では、工芸を育む土地と人をめぐる「Land of KOUGEI」も会期を延長し、3月31日(木)まで開催されている。
本展では京都のものづくりの周辺の営みに焦点をあて紹介する「DIALOGUE」、サーフィンから工芸へと題し、漆と木を使った製品を紹介する「From To | 工藝の森」、KYOTO KOUGEI WEEKが2019年から開催している「シンポジウム」と3つのセクションに分かれて、KYOTO KOUGEI WEEKがこれまで進めてきたプロジェクトの活動を紹介している。
なかでも「From To | 工藝の森」セクションで展示されている堤淺吉漆店の展示は必見で、自転車やスケートボードに漆を塗ることで、金属の冷たさをなくした、暖かみのある風合いが特徴的。京都の町の移動手段に使いたい一品となっている。
堤淺吉漆店は明治42年創業し、伝統を重んじる一方、異業種メーカーとの共同開発などによってより先進的で使いやすく、高品質な商品をつくり続けている。堤淺吉漆店のインスタグラムで最新の製品を見ることができる。
京都中が工芸に溢れるいま、街並みを楽しむついでに何千年も町を支えてきた伝統工芸に触れてみてはいかがだろうか。(文/AXIS 西村 陸)
「クラフトポイントキョウト(CRAFT POINT KYOTO)」
- 会期
- 2022年2月19日(土)~3月31日(木)
- 会場
- 京都市内各地(メイン会場:京都伝統産業ミュージアム)