「時代を映す鏡」とも言われるファッションだが、社会状況や文化の変容にともない、これを取り巻く状況も大きく変化している。こうしたファッションを深く知るための書籍「クリティカル・ワード　ファッションスタディーズ 私と社会と衣服の関係」が、フィルムアート社から2022年3月23日（水）に発売される。

流行の変遷や資本主義グローバリズムが加速する一方、その反省や批判的視点からもたらされたサステナビリティやエコロジーへの意識、多様性／ジェンダー／マイノリティへの多角的な視座といった現代社会において最重要である問題は、ファッションの分野から新たな事例や議論が生まれているという。

さらに、3DプリンターやAR／VR等、テクノロジーの進化や成熟がもたらすファッションの新たな可能性と展開が注目を集めており、人間の身体性の再考の重要性も議論されている。つまり、ファッションについて考えることは、現代文化のあり方を多角的に考えることにもつながるのだ。

そこで同書は、「ファッションスタディーズ」という分野について、まったく新しい入門書としてその歴史や文脈と紐付けながら理論や事項をマッピング・整理し直し、その新たな射程を見通すことを試みている。

とりわけ現代ファッションをとりまくものの多様性・横断性に注目し、哲学、社会学、文化人類学、メディア論、ジェンダー論、環境学、デザイン論といった、多様な分野とファッションの結びつきを解説している。