「メルボルン・デザインウイーク」開催
100組を超えるデザイナーがフェアに参加

▲Marta Figueiredo’s Totem「M」(2018) Photo by Jonathon Griggs

オーストラリア・メルボルンでは、「メルボルン・デザインウイーク」が2022年3月17日(木)から3月27日(日)まで開催される。毎年開催される同イベントは、トークやツアー、展覧会、インスタレーション、ワークショップなどを通じて同国のデザインを紹介する祭典である。

その一環となるメルボルン・デザインフェアは3月16日(水)から3月20日(日)にかけて開催。「PRESENT」と「SELECT」の2つのカテゴリーに分け、さまざまなバックグラウンドをもつ100組を超える同国とニュージーランドのデザイナーがコンテンポラリーデザインを紹介する。

▲Christopher Boots「Vanity Screen」 Photo by Christine Francis

「PRESENT」では、Sophie Gannon GalleryのSophie Gannonが、Elliat RichMakiko RyujinDanielle Brustmanによる1点物の限定エディションを展示。Gannonは、「優れたデザイナーは、制作する裏側で非常に厳格なキュレトリアルな実践を行っています。つまり、キュレーター的な理論や発想からすれば、優れたデザインは優れたアートと同じところから生まれます」と語る。

さらに、優れたデザインには「感覚や目的が備わっているのです。目的がないことが目的なのかもしれませんが、問題に取り組んだり、社会や文化のなかで起こっていることを反映したりする作品には何かが備わっているのです」と述べる。同氏にとって収集する価値のあるデザインとは、目に見えるもの以上のものなのだ。

▲Danielle Brustman「Chromatic fantastic cabinet」
Photo by Jonathan Griggs. Image courtesy the artist and Sophie Gannon Gallery

また、メルボルンを拠点とするデザイナー Marta Figueiredoは、「SELECT」の一環として、機能性や審美性を超えてゆくようなデザインの力を表現。たとえば「M」は、ヒューマンスケールで楽しめるインタラクティブで触覚的なトーテム像である。

また、同氏はウールの端材を使って地衣類のようなタペストリー状のものを作り、彫刻作品「Creatures of Light」を制作。「この作品は、ブラックライトの下で地衣類の目に見えない美しさと発光を表現したものです。地衣類は、環境汚染や気候変動にすばやく反応して合図を送る、大きな災害のただなかにいる人類の貴重な道しるべなのです」と説明している。End