東京のスギを使った美しい木目の
サステナブルな「森をつくる太鼓」

神輿・太鼓・祭礼具などの製造・販売を手がける東京・浅草の宮本卯之助商店は、檜原村を拠点とする林業会社の東京チェンソーズとともに「森をつくる太鼓プロジェクト」を開始した。その第1弾として、サステナブルな太鼓「森をつくる太鼓」を2022年3月4日(金)に発売した。

同プロジェクトは、江戸東京の伝統に根差した技術や産品などを新しい視点から磨き上げ、世界へと発信していく「江戸東京きらりプロジェクト」の一環。「森をつくる太鼓」は、伝統工芸技術と間伐材を掛け合わせたサステナブルなプロダクトである。

東京は総面積の4割が森林に覆われているが、木材価格の下落とともに林業従事者も1/10ほどに減少、戦後に植林されたスギやヒノキ、サワラなどの人工林は樹齢60年に達するが、充分には活かされていないそうだ。

そこで、この桶太鼓には東京のスギを使用し、木材の地産地消を推進。完成したプロダクトを東京の太鼓愛好者をはじめ多くの人に知ってもらうことで、東京の森林問題の解決を目指している。さらに、一部ラインナップはFSC認証の太鼓となる。

また、森林を適正に管理するために伐採された間伐材は、ふだん太鼓作りに使用する木材に比べ、密度や硬さは劣るそうだが、160年以上も受け継がれてきた職人の知恵と技術で補い、美しく力強い打音が響くサステナブルな太鼓ができあがった。通常は用いない板目材も取り入れ、浮造り仕上げを施すことで、美しい木目も楽しむことができる。

3月19日(土)には、桧原村のMOKKI NO MORIにて森の演奏会&ワークショップ「はじまりの森」も開催(3/13まで受付中、応募多数の場合は抽選となる)。太鼓になる木が育まれる森を訪れ、木が伐採される瞬間から、太鼓として音楽を奏でるところまでを体感することができる。End