建物の外装にも取り付け可能な 高効率の風力発電システム
ウィンド・タービン・ウォール

再生可能エネルギーの一翼を担う風力発電は、通常、風の強い湾岸地帯や丘陵部に建造された巨大なタービンによって行われている。現在、最も効率の高い風力タービンは、1回転あたり、1軒の家の平均的な消費電力を2日分賄えるところまできているという。

その一方で、風力発電は設置に適した場所が限られ、景観を損ねる可能性もあるという根本的な問題も抱えている。そこで、アメリカのデザイナーで起業家でもあるジョー・ドーセットは、この課題解決のために、発電機能とキネティック・スカルプチャーの要素を併せ持つ「ウィンド・タービン・ウォール」を生み出した。

縦軸に沿って回転する小型のフィンを持つ発電ユニットを複数並べたウィンド・タービン・ウォールは、高さ2.4メートル x 幅7.6メートルのサイズのもので、年間最大1万キロワットの発電能力を持つ。この数字は、日本の平均的な5人家族の家の年間消費電力(約9,000キロワット)を十分賄えるものだ。

しかも、その構造から想像できるようにウォールサイズの調整が比較的容易に行えるため、設置場所や目的に応じた施工も可能となる。

実際に動いているところの様子は、こちらで見られるが、静止状態とは違う美しさがあり、再生可能エネルギーの選択肢を広げる可能性を十分に感じさせるものとなっている。End