アンドロイドが人の表情をもつ!?
理研がロボットの感情コミュニケーションを実証

理化学研究所はこのほど、ヒトのように表情をつくれるアンドロイド(ヒト型ロボット)を開発したことを発表した。

開発を行ったのは、理研の情報統合本部ガーディアンロボットプロジェクト心理プロセス研究チームの佐藤弥チームリーダー、同インタラクティブロボット研究チームの港隆史チームリーダーらの共同研究チーム。

これまで、ヒトのように表情をつくることを目指したアンドロイドの研究はいくつかあったが、ヒトの表情筋の動きを精緻に再現して、心理実験でその妥当性を厳密に検証した例はなかったという。

▲アンドロイドNikolaの基本6感情の表現

今回、共同研究チームはヒトの解剖学・心理学の知見に基づいて、アンドロイドの頭部「Nikola」を開発。心理実験では、眉を寄せたり口角を上げたりする17個の「表情筋の動き」について、表情専門家がすべて適切であると評価した。

▲アンドロイドNikolaの17個の個別表情筋の動き

さらに、一般参加者がNikolaの怒り・幸福など6つの「基本感情の表情」すべてが適切に認識された。また、Nikolaがさまざまな速度で表情を作ったとき、「驚きの表情は早いほど自然である」といったように、一般参加者もヒトの表情と同様に速度の影響を受けることが示された。

▲Nikolaの基本6感情の写真(上)に対する一般参加者による認識結果

▲Nikolaの動的表情の例(上)と一般参加者による自然さの評定結果(下)

これらの結果から、Nikolaの表情がヒトと同様であることを証明。アンドロイドが表情を通してヒトと感情的なコミュニケーションができることがわかった。今後は介護現場での活用など、アンドロイドの社会への応用につながるとしている。End