NEWS | 建築
2022.02.10 16:00
ジョージア国(旧グルジア)・ティビリシを拠点にする建築・インテリアデザイン事務所 Design Studio NAOは、同市でデザインした茶室プロジェクト「Teahouse 5.8」を公開している。
同事務所を率いるNao Tokudaは、2020年にティビリシにて活動を開始。現在は主にここジョージア国内およびヨーロッパのプロジェクトを中心に活動している。
今回のプロジェクトは、ティビリシ旧市街地に位置する、築100年以上の廃墟を茶室へ改装するもの。18世紀の街並みが色濃く残る遺跡のようなエリアだそうで、そこに日本文化の象徴を挿入することを目指して、現地のジョージア人との徹底的な意見交換を試みたという。
ジョージア人イベントオーガナイザーのサポートを得て、現地の建築学生や若手建築家とともにワークショップを開催。ジョージア人から見た茶室とは何か、そして彼らの生まれ育った町へ日本茶室を作るにあたり、何を尊重し、何を新たに取り入れるのか、といったことを2週間かけて討論し、デザインコンセプトを練り上げたそうだ。
そこから、極力既存の外観を尊重するという考えを導き出し、長年の経年劣化で建物自体が5.8度傾斜している状態をもそのまま残すことにした。プロジェクト名はこの角度にちなんでいる。
このような傾斜した建物の内部に新たな水平レベルを配置。その表面には、ジョージアでもっとも一般的で、なおかつ数千年の歴史をもつセメントを使用し、現地職人の手により仕上げた。
さらにその上に、日本から取り寄せた畳を採用。ジョージア産の陶器鉢には、現地プラントセレクターが日本の盆栽からインスパイアされた植栽を添え、コンセプトに忠実なデザインができあがった。