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2022.02.02 13:00
ボルボのEVブランド「ポールスター(Polestar)」は2021年10月、オランダのアーティスト Thijs Bierstekerとコラボレーションして、インタラクティブなインスタレーション「We Harvest Wind」を披露した。
このインスタレーションは、同社が2021年に公開した、自動車が地球環境に及ぼす情報を記した「LCA(Life Cycle Assessment)レポート」に触発されたもので、直径3mの彫刻作品を制作。彫刻の外側と中央にそれぞれ素材の違う2種類の羽根を設置した。
鑑賞者は大型のファンを操作しながら、「風の惑星(wind planet)」をコントロールするそうで、自身の手には本当の変化を起こす力が備わっていることを認識させるのがねらいである。
Bierstekerが率いるWoven StudioとポールスターのR&Dチームは当初、コンセプトカー「Polestar Precept」でも使用される、スイス・Bcomp社が開発する天然繊維ベースの複合材料「powerRibs™」を、羽根の材料に使うことを検討。
しかし、こうした天然繊維ベースの製品には、化石燃料ベースのポリプロピレン樹脂が使用されることが多いことから、より持続可能で生分解性のある樹脂の可能性を調査したという。
Thijs Bierstekerは、「外側の羽根は、亜麻繊維で構造を作り、そこにトウモロコシベースの樹脂を使いました。この組み合わせは、Woven Studioとポールスターがプロジェクトの期間中に開発したものです」と述べ、これにより「作品にオーガニックな手触りが生まれました」としている。
また、「彫刻の(中央の)羽根は、3DプリントしたリサイクルPETプラスチックでできています」と同氏はコメント。この素材については、建築家のPanos SakkasとFoteini Setakiが設立した「The New Raw」と協力した。再生プラスチックだけを使い、産業資材でアート作品を作ることを目指す、3Dプリントを活用したオランダ・ロッテルダムのデザインスタジオだそうだ。
「環境への影響をテーマとするアート作品を制作するときは、地球に負担が少ないものにすべきです」と語るBiersteker。こうしたサスティナブルな考えは、ポールスターが目指す自動車製造にも当てはまることだろう。