NEWS | プロダクト
2022.01.11 16:00
イタリアの建築家 アキッレ・カスティリオーニ(1918-2002)とジャンフランコ・カヴァリアが2001年にデザインした筆記具「CENTO3」が、20年の時を経て、ボローニャのデザインスタジオ EGO.Mより登場した。
この筆記具のプロトタイプは、カスティリオーニの存命中は未発表だったそうで、2012年に発見。木工職人のピエルルイジ・ギアンダが手がけた木製のプロトタイプは、三つ葉のアーチ型をしていたという。
今回のプロジェクトでは、プロトタイプの中から、シャープペンシル、多機能アートペンシル、ポケット万年筆を展開。カスティリオーニが掲げた革新性やサステナビリティ、上質、ローコストなどのコンセプトを受け継いでいる。
さらに、独特の形状を作り出すために3Dプリントを採用し、無駄のない生産を実現。軽量で、滑らかな手触りがある一方、3Dプリント特有の積層痕により、しっかりとしたグリップを楽しむことができる
また、素材にはグラフェンを使用。これにより、まるで「鉛筆でできた鉛筆」であるかのような、自然な印象やつややかさ、優れた機構、独特のカラーが生まれた。
カスティリオーニは、「プロダクトのネーミングさえもデザイン行為のひとつである」と語る。「CENTO 3」には、3つのラインナップ、3Dプリント、三者のコラボレーション、プロジェクトに関わった3つの世代、ペンをもつ三本の指、三つ葉模様と、「3」にちなんだたくさんの意味を込めている。また、「CENTO 3」は「103」も意味している。プロジェクトがスタートした2021年は、同氏の生誕103年も記念している。