FEATURE | 建築
2021.12.27 12:00
この特集では、今年取りあげた新建築のなかからアクシスウェブマガジン編集部が「実際に行ってみたい!」と思ったものをピックアップ。それぞれの建築に込められた建築家のコンセプトや想いにも注目です。
School as a Village
OPEN Architectureが中国・上海で手がけた「School as a Village」
中国・上海では、13のユニークな建物が有機的に構成された新しい学校プロジェクト「School as a Village」が登場。OPEN Architectureは、長年同じ場所に通い続ける子供たちをいかに退屈させないかを考え、小さく特徴のある建物をたくさん建てて、多様で活気のある村のようなキャンパスを作りました。地域社会にも開かれた「シロナガスクジラ」とも呼ばれるビブリオシアターは圧巻です。
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- 13の建物が有機的につながる中国の学校プロジェクト「School as a Village」
OPEN Architectureが中国・上海で手がけた「School as a Village」
上海天文館
天体の運動を表現した「上海天文館」
世界最大級の天文博物館「上海天文館」が2021年7月、中国・上海にオープン。米Ennead Architectsが手がけた建築で、その広さは約39,000平米。その大きさだけでなく、形状や照明により、太陽と地球の軌道運動の関係性について深く知ることができます。訪れた人は、最後に大空と直接向かい合うという、最高の瞬間に立ち会うことができます。
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- 米Ennead Architectsが設計した天体の運動を表現した「上海天文館」
天体の運動を表現した「上海天文館」
香港現代視覚文化美術館 M+
ヘルツォーク&ド・ムーロンによる香港の現代視覚文化美術館「M+」
スイスの建築設計事務所 ヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけた、香港・西九龍文化区の現代視覚文化美術館「M+」がオープン。20世紀と21世紀のアート、デザイン、建築、映像を網羅する美術館です。地下には鉄道のトンネルがあり、この特徴を活かした大規模な展示空間が誕生しました。また、ファサード自体がアートワークの超大型ディスプレイとなっており、香港の新たなシンボルとなるでしょう。
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- ヘルツォーク&ド・ムーロン
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- ヘルツォーク&ド・ムーロンが手がけた香港の現代視覚文化美術館「M+」ついに開館
ヘルツォーク&ド・ムーロンによる香港の現代視覚文化美術館「M+」
Under
スノヘッタが手がけた水中レストラン「Under」
ノルウェーの最南端・リンデスネスは、海水と汽水が存在する豊かな生物多様性のある場所です。ここに、海洋生物の研究センターでもある、水中レストラン「Under」が完成。スノヘッタが手がけた建築は、海に半分沈んだデザインで全長は34m。モノリシックな外観で、水面下5mの海底に置かれたような格好をしています。レストランの大きな窓からは、季節や天候の変化が楽しめます。
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- スノヘッタ
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- ノルウェーの水中レストラン「Under」海洋生物の研究センターとしても機能
スノヘッタが手がけた水中レストラン「Under」
ドバイ万博ルクセンブルク館
メビウスの帯にヒントを得た「ドバイ万博ルクセンブルク館」
メビウスの帯にヒントを得たデザインが特徴的である、2020年ドバイ国際博覧会のルクセンブルク館。サーキュラーエコノミーと多様性を1つに統合したことを表現しているそうです。1階から3階への経路は連続的ですが、たえず変化があるそうで、非常にユニークな風景をもつルクセンブルクの街を歩くような体験ができます。
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- Metaform Architects
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- 建築オフィス Metaform Architectsが手がけたドバイ万博ルクセンブルク館のデザイン
メビウスの帯にヒントを得た「ドバイ万博ルクセンブルク館」
安藤忠雄による新ギャラリー
杉本博司による新ギャラリー
ベネッセアートサイト直島に安藤忠雄と杉本博司による新ギャラリーが登場
香川県直島町のベネッセアートサイト直島に、新たに2つのアート施設を開館。ひとつは、建築家・安藤忠雄設計の9つ目の建築「ヴァレーギャラリー」です。祠をイメージした半屋外建築で、エリア全体のランドスケープを体感することができます。
もうひとつは、美術作家・杉本博司の既存の作品空間を拡大・整備する「杉本博司ギャラリー 時の回廊」。主要な写真シリーズや硝子の茶室「聞鳥庵」が追加されるなど、杉本の多様な作品群を継続的かつ本格的に鑑賞できるようになります。
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- 安藤忠雄・杉本博司
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- 安藤忠雄と杉本博司による新ギャラリー ベネッセアートサイト直島に開館
ベネッセアートサイト直島に安藤忠雄と杉本博司による新ギャラリーが登場
Star Axis
チャールズ・ロスによる巨大展望台「Star Axis」
米アーティストのチャールズ・ロス(Charles Ross)の作品のひとつである「Star Axis(星の地軸)」。ニューメキシコ州の砂漠に作られた彫刻作品で、肉眼で天体を観測するための巨大な展望台でもあります。天体の動きをヒューマンスケールで体験できるそうです。1976年に建設を開始しましたが、まだ建設中で一般には非公開。2025年の完成を目指しています。
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- アーティスト チャールズ・ロスによる巨大アースワーク 肉眼で天体を観測する展望台「Star Axis」
チャールズ・ロスによる巨大展望台「Star Axis」
国際会議場 ICCベルリン
スペースエイジな建築「国際会議場 ICCベルリン」
ドイツ・西ベルリンの外れにある、スペースエイジな建築の国際会議場「ICCベルリン」。巨大なシルバーグレーの外観、丸みを帯びた窓、ところどころに突き出た円形の砲塔などが宇宙船をイメージさせます。2014年以降は閉鎖されていましたが、このほど期間限定で一般公開されました。2019年にアスベストを完全除去したリノベーションが行われ、現在では歴史的建造物に登録されています。
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- ウスリナ・シューラー・ウィッテ/ラルフ・シューラー
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- 長い眠りから覚めたスペースエイジな建築 国際会議場ICCベルリン
スペースエイジな建築「国際会議場 ICCベルリン」
Shenzhen Terraces
自然の景観を組み込んだ「Shenzhen Terraces」
建築設計事務所 MVRDVが設計した、中国・深圳市龍崗区の複合施設「Shenzhen Terraces」の建設が進められています。大学地区のコアとなるもので、アクセス可能なテラスが積み重ねられた外観をしています。サステナビリティ重視のデザインで、緑豊かな屋外スペースは劇場や図書館、美術館、会議センター、ショップなどのさまざまな施設と結びつき、集会や学習、レジャー、カルチャー、リラクゼーションを提供するハブとなるそうです。
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- MVRDV
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- 都会に公共スぺースと自然の景観を組み込むMVRDVによる複合施設「Shenzhen Terraces」
自然の景観を組み込んだ「Shenzhen Terraces」
ハンス・クリスチャン・アンデルセン博物館
おとぎ話をもとにしたハンス・クリスチャン・アンデルセン博物館
デンマークを代表する童話作家のおとぎ話をもとにした、ハンス・クリスチャン・アンデルセン博物館が、2021年夏に故郷であるオーデンセにオープン。建築設計を手がけたのは建築家・隈研吾です。アンデルセンの物語の世界へと誘う没入型のアートスペースで、建築、庭園、展示が一体となった空間となっています。
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- 隈研吾
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- 隈研吾が手がけるデンマークのアートスペース「ハンス・クリスチャン・アンデルセンの家」博物館
おとぎ話をもとにしたハンス・クリスチャン・アンデルセン博物館
青井阿蘇神社・国宝記念館
隈研吾設計による熊本県人吉市の国宝・青井阿蘇神社「国宝記念館」
熊本県人吉市の国宝「青井阿蘇神社」では、建築家・隈研吾設計による「国宝記念館」の建設プロジェクトが進行中。和を取り入れながら近代的で個性豊かなデザインで、社殿の茅葺をイメージした屋根には、地元「市房山の杉」などをふんだんに使用します。1・2階のギャラリーには、400年以上前から伝わる神輿や、令和2年7月豪雨で被災し、現在修復中の御神刀や奉納刀剣などの収蔵品を展示する予定です。
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- 熊本・人吉の国宝「青井阿蘇神社」隈研吾設計による「国宝記念館」建設プロジェクト