NEWS | テクノロジー
2021.12.17 17:40
私たちの暮らしのなかにはさまざまなデバイスがあり、そこにはいろんなタイプのインターフェースが使われている。そのなかで「触覚」は大きな役割を果たしているが、指で触れても複数の感覚を得ることはこれまでできなかった。
そこで、触覚フィードバックをインターフェースに統合したソリューションを開発するフランスの企業 Actronikaは先ごろ、ひとつの接触面で同時に異なる感覚を感じられる技術を開発した。
インターフェースに触れたとき、接触面には振動が発生し、これが皮膚に伝わって、ボタンを押すなどのインタラクションが起こったような感覚を得ることができる。これは、触覚アクチュエータを統合した接触面が動くことで生じるのだが、そのとき表面全体の振動はほぼ同じになり、ひとつの感覚しか感じられないという。
これに対して、「マルチコンタクト・ハプティクス」と呼ばれる新しい技術では、たとえば自動車に搭載された1台のコントロールパネルを複数の人で共有しても、互いに干渉しあうことなく、それぞれのインタラクションに応じたフィードバックが感じられるようになる。
どんなシステムでも、ある刺激周波数で生じる特定の変形モードというものがあるそうで、これらを組み合わせることで、ひとつの接触面の異なるエリアに同時にちがう振動を与えることができるようになるそうだ。
そこでは別々のアクチュエータが駆動しており、タッチした位置からこれらに向けて適切な駆動信号を算出。それぞれの接触点にターゲットを絞った触覚効果を生み出すことが可能になるとしている。
用途としては、共有画面やコントロールパネル、バーチャルキーボード、ゲームパッドのほか、障がい者のための触覚を通じたコミュニケーションも想定しているようだ。