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2021.12.03 14:00
アーティストコレクティブ CŌEM(コエム)は、言語作品と呼応し合う「東京の記憶」を4次元的に追体験するサウンドアートプロジェクト「GeoPossession 声のトポス」を2022年1月15日(土)よりスタートする。
東京を舞台にした言語作品を持つ14人の創作者に、作品の舞台となった場所=トポスを事前に訪れてもらい、当該作品をその地で朗読してもらうことで、土地への記憶化(奉納)を行っているという。
さらに、記憶してゆくまさにその瞬間を3Dマイクで録音し、土地に結びついた作品とそれを読む作者の気配、空間の手触りや時間の肌理まで正確に採取。作者自身が作品を喚起されたトポスで朗読することで、その作品だけでなくポイエーシス(制作)をもトポスの記憶となってゆくそうだ。
今回、拡張現実会社 Kalkulと協力し、特定の場所に音声をマーク付けし、その場所でのみオーディオを再生できる「ジオポジショニング」の手段を得た。このシステムと3D録音を組み合わせることで、異なる時間や気配を土地に「憑依させる(Possess)」音と声の精密なポジショニングを実現した。
また、作品は東京のさまざまな場所のデータ上の地理に設置。kalkul Auraアプリ内の「GeoPossession」ディスクにアクセスし、立ち上がったデジタルマップ上から目的のトポスを見つければ、あとはその場所に実際に向かうだけ。
そこには看板などの目印はなく、かつて作者が立って作品を朗読した記憶をふくんだトポスを踏みしめた瞬間、イヤホンを装着した耳に作品が自動的に再生される仕組みである。
参加作家は、伊藤比呂美(詩人)、小島ケイタニーラブ(シンガーソングライター)、管啓次郎(詩人)、島田雅彦(小説家)、杉本真維子(詩人)、ジョーダン.A.Y.スミス(詩人)、髙橋睦郎(詩人)、谷賢一(劇作家)、永方佑樹(詩人)、額田大志(劇作家)、藤井貞和(詩人)、古川日出男(小説家)、保坂和志(小説家)、松浦寿輝(詩人・小説家)と、錚々たる面々が揃っている。