NEWS | インテリア / グラフィック
2021.12.02 16:19
東京を拠点に活動するブランドデザインコンサルタンシーのartless inc.は、自遊人がプロデュースする地域活性化プロジェクト「松本十帖」のブランドデザインを担当した。
「松本十帖」は、長野県松本市・浅間温泉にある1686(貞享3)年創業の老舗旅館「小柳」の再生を契機として、浅間温泉全体のエリアリノベーションを目指すもの。敷地内にはもともとの建物を改装した「松本本箱」と「小柳」の2つのホテルがあるほか、ブックストア、ベーカリー、ショップ、レストランなども併設している。
artlessは今回、「松本十帖」のロゴをはじめ、グラフィック、サイネージ、ユニホーム、レセプションカフェのコラボレーションなど、包括的なブランドデザインを手がけた。
ロゴは、松をモチーフとした家紋をシンボルに、繊細でモダンな書体を組み合わせてデザイン。家紋は紋章上繪師・波戸場承龍と共同で制作し、すべて曲線で構成するという手法を用いた。そこには、古くからの歴史を継承しつつ新たな文化を生み出していくという思いを込めたという。
サインやステーショナリーで使われているさまざまなデザインの形は、ロゴのなかで使用している書体のディテールからインスパイアされたもので、1つ1つ丁寧に作っているそうだ。また、各施設でレイアウトや表現の仕方を少しずつ変えるなど、全体の統一感を図りつつも、それぞれの建築や空間のコンセプトに沿ったデザインに仕上げた。
ブランドカラーには、松本の景観や建築のマテリアルから連想される「利休鼠」「生成」「石版」「真鍮」などの日本の伝統色を選ぶことで、和の落ち着きと上質な佇まいを表現している。