NEWS | カルチャー
2021.11.12 16:00
2020年7月に開館した大阪の文化施設「こども本の森 中之島」では、建築家・安藤忠雄と音楽家・細野晴臣によるトークイベント「第2回 セッション・イン・ザ・フォレスト『安藤忠雄×細野晴臣 こどもたちに伝えたいこと』」が2021年11月8日(月)に開催された。
さまざまな職業に就く大人たちが、本のこと・仕事のこと・生き方のことなどを子どもたちに伝えるイベントで、今回は親子連れ70名が駆けつけた。
安藤は「大阪人として、この辺りは全部自分の敷地だと思ってやろうと(笑)」とユーモアを交えて話すと、細野は「東京は巨大なビルばっかりなんですよ。ここは空間が生かされていて、古い建物もあって、公園的でもあるしカフェもある。大好きな場所ですね。こういうところが東京にもあれば、もうちょっとのんびり暮らせるんじゃないかな」と語る。
建築と音楽の関係性については、「ウィーンの街を歩いてると音楽が聴こえてくるような感じがして非常に好きなので、大阪にもそういうところがあれば」という安藤。これに細野は「建築と音楽って、構造があって、数学もちょっと使うし、そこにイマジネーションを乗せていく。近いところを感じます」と応えた。
さらに、場所がもたらす重要性について、「我々は箱作りが仕事ですが、箱よりも人間がそこにいるというのが大事やと思いますね」と安藤が持論を述べると、細野はこれまでの経験から「音楽をやってるとホールって、響きって、すごく大事なんです。特に現代的なホールはスタジオみたいに吸音しちゃうんですよ。そうなるとノレない。いいホールは手拍子だけで気持ちが上がる」とした。
また、初対面の両氏からは事前の打ち合わせや台本がないトークならではのエピソードも飛び出したほか、観覧者からの質問コーナーも行われ、匠たちの温かなメッセージがあふれる充実の1時間となった。
なお、この日の安藤忠雄×細野晴臣のトークイベントの模様は、11月14日(日)17:00よりFM COCOLO「Whole Earth RADIO」でオンエアされる予定だ。