アーティストチャールズ・ロスによる巨大アースワーク
肉眼で天体を観測する展望台「Star Axis」

アメリカのアーティストであるチャールズ・ロス(Charles Ross)は、彫刻家でもあり、巨大なアースワークを手がける作家でもある。彼の作品のひとつ「Star Axis(星の地軸)」は、ニューメキシコ州の砂漠に作られた、肉眼で天体を観測するための展望台でもある彫刻だ。

高さ11階建て・幅0.1マイル(約160m)となる「Star Axis」の形状や角度は、地球と星の位置関係によって決められているという。すべてはこの彫刻のなかに収まっているので、私たちは天体の動きをヒューマンスケールで体験できるそうだ。

ロスが「Star Axis」を着想したのは1971年。アメリカ南西部で最適な場所を見つけるために4年間をかけてリサーチし、1976年には地球と空の境界にそびえるメサ(台地)を見つけ、建設を開始した。

内部には5つの観測ポイントがあるそうで、中心となる「Star Tunnel」は地軸に沿って、北極星に向かって作られており、26000年の歳差の周期を体感できるとされる。

また、夏至と冬至によって形づくられた高さ55フィート(約16m)の「Solar Pyramid」、その影をトレースした形をもつ「Shadow Field」、1時間の地球の自転を知ることができる「Hour Chamber」、春分の太陽の軌道と赤道上を移動する星を観察できる「Equatorial Chamber」も設けている。

おもな素材は花崗岩、砂岩、ブロンズ、ステンレススチール、土で、地元の石工チームとともに「Star Axis」を作っている。だが、今のところまだ建設中で一般には非公開。2025年の完成を目指している。End