NEWS | サイエンス
2021.11.09 12:00
テキスタイルメーカーの米ポーラテック(Polartec)はこのほど、消臭性能をもつ金属を使わずに、ミントを使って消臭する技術「Polartec Fresh Face」を発表した。
機能性ファブリックには、品質と寿命を向上させ、洗濯で消費するエネルギーを低減するために、防臭効果をもつ化合物が長らく使われてきたという。ただ、同社ではこれを上回るような素材の開発に取り組んできた。
体臭はバクテリアが汗に含まれる脂肪酸やタンパク質を代謝し、老廃物を分泌するときに発生するそうだ。そこで、ファブリックの内部で臭いの原因となる微生物の増殖を効果的に抑えるものとして、ペパーミント油に着目した。
ブルーサイン(Bluesign)認証のペパーミント油で、それ自体は無臭。サスティナブルな水蒸気による抽出プロセスを用いた収穫をしており、生分解性がある。
さらに、このペパーミント油による処理を施したファブリックは、実験では50回も洗浄したあとでも微生物の99%を抑制。これにより、事実上は半永久的に効果が持続するとしている。
同社が行う「sniff judges」というにおいチェックにおいても、従来の金属処理による消臭効果を上回る結果が得られたそうだ。
なお、この機能性ファブリックは、2021年晩秋にイタリアと中国で生産がスタート。米国は1年後に生産を開始する予定だ。