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2021.11.16 17:08
ベネッセホールディングスは、香川県直島町にあるベネッセハウスの開館30周年となる2022年に、新たに2つのアート施設を開館することを発表した。
ベネッセアートサイト直島にオープンする建築家・安藤忠雄設計の9つ目の建築「ヴァレーギャラリー」は、ベネッセハウスと地中美術館のあいだにある、李禹煥美術館の向かいの山間に位置する。
祠をイメージした半屋外建築で、同館によって自然のなかに点在するベネッセハウスの各棟や美術館施設が繋がり、訪れた人はエリア全体のランドスケープを体感したり、海だけでなく、季節ごとに異なる顔を見せる豊かな山の植栽を楽しめるようになるという。
建物内外では、草間彌生の「ナルシスの庭」を大規模に展示し、2006年より池の横に恒久展示されている小沢剛の「スラグブッダ 88-豊島の産業廃棄物処理後のスラグで作られた88体の仏」も一部改変して展示する。
安藤は、「コンクリートの壁による二重構造を成す建物は、12mm 厚の鉄板屋根で覆われる。鉄板にはシフトや切込みといった幾何学的操作により開口が穿たれており、建物内部に、雨や風、光といった自然の呼吸をそのままに取り入れる。小さくとも結晶のような強度をもつ空間をつくろうと考えた」とのコメントを寄せている。
一方、「杉本博司ギャラリー 時の回廊」は、2006年に開館したベネッセハウスパーク内の現代美術作家・杉本博司の作品空間を拡大・整備するもので、周辺のラウンジやボードルーム、屋外にまで拡げ、杉本の多様な作品群を継続的かつ本格的に鑑賞できるようになる。
既存の「松林図」や「観念の形003オンデュロイド:平均曲率が0でない定数となる回転面」などに、主要な写真シリーズや、ヴェニス、ヴェルサイユ、京都で展示した硝子の茶室「聞鳥庵」を追加。
ラウンジおよびボードルームは、杉本が主宰する新素材研究所のデザインによりカフェ機能も備えて一新されるそうだ。