UVを使ってアイテムのデザインを
何度も変えられるプリント技術

マグカップやスマホケースなど、自分の好みに合ったデザインがなかなか見つからない人もいるだろう。たとえ気に入ったデザインやカラーがあっても、それをプリントするとなると手間がかかってしまう。

そこで、米マサチューセッツ工科大学 コンピュータ科学・人工知能研究所(MIT CSAIL)の研究チームが、オブジェクトの表面にイメージをすばやく施す新しいプリント方法を開発した。

「ChromoUpdate」と呼ばれるこの方法では、光活性化染料でコーティングされたプロダクトを使用。そこにUVプロジェクターで光を照射することで、染料の反射特性が変化し、カラフルなイメージがわずか数分で浮かび上がるのだ。

研究チームでは、以前に「PhotoChromeleon」と呼ばれるインクシステムを開発。これは、シアン、マゼンタ、イエローの染料を含むラッカー状のインクで、オブジェクトをこのインクの層で覆い、光をあてるとこで何度もデザインやカラーを変えることができるという。

ただ、この方法では塗り直しに20分以上かかるそうで、プロセスの迅速化を検討。ChromoUpdateでは、表面全体を均等に照射するLEDを使うのではなく、表面全体にわたって光レベルを変更できるUVプロジェクターを使い、「UV飽和レベル」をピクセル単位で制御できるようになる。

この方法は自動車の塗装にも使えるとしており、レーシングストライプだけを後からくわえたい場合、外装をまるごと塗り替えることなく、短時間で完成させることができるそうだ。

また、モノクロのデザインプレビューを数秒で作成したり、フルカラーのプロトタイプを数分で作成したりも可能。1回の作業セッションで数十パターンのデザインを試すことができる。

そのほか、研究チームは、マグカップに日々のスケジュールを表示させたり、新しい会議の情報をアップデートさせたり、天気予報を施したりできるようになると語っている。End