植物の葉が光を蓄えて照明になる!?
MIT研究者が新しい「発光植物」を発表

▲画像:研究チーム提供

世界には自ら光を放つ「発光植物」というものがある。この発光植物について、米マサチューセッツ工科大学の研究チームが新たな研究を発表した。

これは、植物の葉に特殊なナノ粒子を埋め込み、LEDをあてることで「光を蓄える」ことができる発光植物。10秒間光を溜めこむと数分間明るく輝き、繰り返し光を蓄えることも可能だという。

▲第1世代の発光植物 Credit:Seon-Yeong Kwak

また、同じ研究チームが2017年に発表した第1世代の発光植物と比べ、10倍も明るい光を放つようになったそうだ。

「植物ナノバイオニクス」と呼ばれる新しい分野で開発が続けられてきたのは、植物にさまざまなナノ粒子を埋め込み、植物に新しい特性を付与することである。第1世代として開発されたクレソンは、数時間にわたって発光するものの、文字を読むのに必要な明るさの1000分の1というかすかな光しか出せなかった。

そこで、より長く、より明るく発光させることを目指して、研究チームは電気を蓄えたり、必要に応じて放出したりできるキャパシタ(コンデンサ)のようなナノ粒子を作ることを検討。

「光キャパシタ」となるナノ粒子を使用して、光子として光を蓄え、時間が経つにつれて徐々に光を放つようになった。

こうしたナノ粒子は、葉の表面にある気孔から注入することができ、「葉肉」と呼ばれる海綿状の層に蓄積し、そこで薄いフィルムを形成。植物としての機能を妨げたり、発光特性が弱まったりすることもないようだ。

▲画像:研究チーム提供

▲画像:研究チーム提供

今回の取り組みでは、バジル、クレソン、タバコといった植物で発光を確認。「エレファントイアー」とも呼ばれる巨大なクワズイモの葉でも発光させることができた。この葉は幅30cm以上もあるそうで、これほどの大きさであれば街灯としても使えるのではないかとしている。End